Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
現有設備の改良により,再結合励起による水素様窒素の軟X線レーザ発振(波長13.4nm)を世界で初めて実現することを最終目的としている。 昨年度,スイッチ部およびキャピラリ部の構造改良による浮遊インダクタンスの低減を行い,従来の1/3程度までにすることができ,放電電流の増大の可能性を示した。本年度はさらに,中間水コンデンサとキャピラリ負荷を伝送線路で接続し,シミュレーションにより,伝送線路め特性インピーダンスを変化させた場合に,反射電圧波の重畳を利用することによって大電流化および短パルス化が可能なことを見出し,実験により確認した。その結果,電流値65kA以上,パルス幅70ns程度の放電電流を得ることができた。 再結合レーザ実現の可能性を探るため,直径3mm,長さ80〜150mmのキャピラリに窒素を封入して放電を行い,窒素プラズマの電離過程を検証した。シミュレーション結果によれば,4価の窒素イオンが放電開始と共に電流層内側に生ずる衝撃波によって生成され,軸上に衝撃波が達した瞬間には5価まで急激に電離される。その後,150eV程度のピンチプラズマが数nsの間維持され,6価のイオンが徐々に増加していく。その後,さらに数nsの時間を掛けて7価の窒素イオンが生成されることが分かった。実験では,放射光をXRDを用いて計測し,波長20nm以下のXRD信号と波長3nm以下のXRD信号の計測結果から,放電開始後20ns付近から,2-5価のイオンからの放射が確認され,放電電流が70kA程度に達した後,再度,ピークの2/3程度まで電流が減少した時刻に,水素様窒素の1s-2p遷移(2.5nm)または水素様窒素の上位準位から1sへの再結合放射光が観測され,最大ピンチ時に,水素様窒素が存在していることが明らかになった。今後,分光計測により,小信号利得の計測を行い,再結合励起レーザ発振の可能性を調べる予定である。
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