テラヘルツ分光によるポリマーナノコンポジットの優れた誘電特性出現機構の解明
Project/Area Number |
19656083
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Electronic materials/Electric materials
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大木 義路 Waseda University, 理工学術院, 教授 (70103611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 直志 早稲田大学, 理工学術院, 専任講師 (30329122)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 誘電体 / 有機物 / ポリマーナノコンポジット / テラヘルツ時間領域分光 / 複素誘電率 / 誘電損率 / 誘電・絶縁特性 |
Research Abstract |
ポリマーナノコンポジットの優れた誘電・絶縁特性はポリマーマトリクスとナノフィラーとの界面にあると考えられている。そこで、我々は分子の振動、あるいは分子間相互作用の解析に用いられているテラヘルツ領域に注目し、ポリマーナノコンポジットの良好な物性の発現機構を解明する一助として、ポリアミドナノコンポジットに対してテラヘルツ時間領域分光(THz-TDS)測定を行った。 2THzと3THz付近において初めて誘電分散を観測した。2THz付近の誘電分散について、その誘電損率がポリアミドのアルファ型結晶に起因するX線回折強度と正に相関し、THz電界と試料延伸方向が平行であるとき最大となることから、この分散がアルファ型結晶内の分子鎖と平行方向の分子振動に由来すると推測した。また、3THz付近に誘電損率ピークを持つ誘電分散は、THz電界と試料延伸方向が垂直であるとき最大となることから、分子鎖と垂直方向の分子振動に起因すると推測した。さらに、この3THzの誘電損率のピークがNC化により低周波数側にシフトすることを見出し、これはナノフィラー添加によりポリマー/ナノフィラー間に生じる強い相互作用が分子振動を抑制するためであると推測した。 THz分光は、最近可能となった斬新な計測法であり、これを高分子の誘電特性の解明に用いた研究例は極めて少ない。分光強度のTHz偏光角依存性等を用いた上記解析は、多くの高分子とそのNCに適用しうる重要で新しい手法と考えている。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)