微細藻類における生物対流の分子機構と生物学的意義に関する研究
Project/Area Number |
19657015
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
植物生理・分子
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 直樹 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 教授 (40154075)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Keywords | クラミドナモス / 生物対流 / 側面観察型顕微鏡 / 画面解析 / クラミドモナス / 側面観察顕微鏡 / 光走性 / 細胞運動 / 画像解析 / プルーム / 渦巻き走性 |
Research Abstract |
生物対流は遊泳細胞の集団が示すパターン形成で,マクロなパターンに注目して流体力学的なシミュレーションが行われてきたが,実際の細胞の挙動は観察されてこなかった。本研究では側面観察型顕微鏡を製作し,これを用いて,生物対流確立に至る細胞の動態を観察することにはじめて成功した。 1.クラミドモナスのさまざまな野生株の中から,光走性の極めて活発な株を選択して実験に用いた. 2.通常の生物対流では細胞を表面に集めるが,表面張力のために表面が歪み,横からの観察には適さない.このため,Percollを培地に加えてその密度を細胞の密度よりも高め,下から照射した光に集めるようにして,倒立対流をおこす系を開発した.またこの系は光照射により反応を開始することができ,均一系から生物対流確立にいたる過程を詳細に観察することができる. 3.透過光による観察では,密集した細胞集団における個々の細胞の動きをとらえることができない.このため,光走性誘導光を励起光としても用い,蛍光による観察系も確立した. 4.得られた像から細胞の軌跡を求め,細胞運動の局所的動態の統計量を求める計算システムを構築した.これを用いて解析した結果,細胞が密集した集団内でも渦巻き運動(小噴火)があり,これが集積した細胞層の厚さの不均化を助長することによって,大きな細胞群の流れ(大噴火,plume形成)を引き起こすというシナリオが推定された. .今後は,1個の細胞の運動を追跡する観察や,培地の流れを調べる観察も行い,生物対流確立の機構をシミュレートできるところまで持っていきたい.
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)