Research Project
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
本年度はクリプトクロム(CRY)の寿命への関与を中心に以下の結果を得た。1. 中枢及び末梢でのクリプトクロム(CRY)発現の寿命への影響の検討末梢のみでCRYを発現するelav-ga14>UAS-cryRNAi系統では寿命がやや延長し、その効果は恒明(LL)下で強いことがわかった。さらに、時計細胞、pdf発現細胞、さらにcry発現細胞でのみ特異的にCRY発現を抑制した、tim-ga14>UAS-cryRNAi,pdf-ga14>UAS-cryRNAiおよびcry-ga14>UAS-cryRNAiでは、いずれの場合にも寿命が延長するが、特にpdf細胞での発現抑制により著しい延長が見られることがわかった。逆に、中枢でのみCRYを発現するcry^OUTバックグラウンドのelav-ga14>UAS-cryでは、寿命が短縮することがわかった。一方、時計細胞またはCRY発現細胞でのCRYの過剰発現系統、tim-ga14>UAS-cryおよびcry-ga14>UAS-cryでは、いずれも寿命が延長したが、その効果はtimを発現する時計細胞での発現で著しいことがわかった。2. 中枢及び末梢でのCRY発現の活動リズムへの影響上記の各系統を用いて、明暗、恒明条件下での活動リズムを解析したところ、いずれの系統も明暗に同調し、朝夕にピークをもつ双峰性の活動リズムを示し、tim-ga14>UAS5-cryを除き恒明条件下では無周期となることがわかった。tim-ga14>UAS-cry系統ではLLで長周期のリズムを示した。従って、リズムの乱れと寿命との関係は不明確であった。3. 過去2年間の結果とあわせ、CRYがハエの寿命制御に関わる可能性が強く示唆された。CRYの欠損は時計間の脱同調を介して寿命の短縮を導くが、リズムを制御する中枢部では発現が抑制されても寿命が延長することから、末梢部での発現が中枢の時計とは独立に寿命に関与する可能性も示唆される。
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