Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
|
Research Abstract |
心筋や骨格筋等の横紋筋細胞では,その長軸方向に沿って筋繊維が整然と並んでいる。このことは,当たり前のこととして極自然に受け入れられているが,その分子基盤はいまだ明らかになっていない。私たちは,昨年,この問題を解く重要な手掛りをゼブラフィッシュの変異体の解析によって得た。すなわちコネキシンの一種であるCx36.7に変異が入ると,その下流に位置する転写調節因子Nkx2.5の発現が抑制され,筋原繊維の向きが並行ではなくバラバラになることを見い出した。さらにCx36.7の発現部位と発現のタイミングを詳細に調べたところ,ゼブラフィッシュでは幼生の初期心筋細胞に特異的で,心臓が鼓動を始めると同時に発言が急激に減少し消失することが明らかになった。心臓が鼓動を始め機械的刺激が加わるとそれに合わせて筋原繊維の向きが揃うことが培養心筋細胞を用いて示されているが,鼓動を始める前は機械的刺激がないので何か別の方法で筋原繊維の向きが一定方向に揃えられると考えられていたが,その仕組みの概要が本研究により明らかになったことになる。これに続いて,本年度は,Cx36.7が心臓特異的に発現する仕組みを明らかにするために,Cx36.7遺伝子の上流5kbを単離しGFPにつなげて発現ベクターを作製し,ゼブラフィッシュの受精卵に注入したところ,心臓のみが特異的に光る幼生ができた。Cx36.7遺伝子のプロモーター領域を順次短くし,心臓特異的なプロモーター領域が560bp上に存在することを明らかにした。今後の研究で,この領域に特異的に結合する転写因子群を明らかにできれば,初期の心臓前駆細胞での発現を制御している分子機構が解明できると期待される。
|