Project/Area Number |
19657038
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional biochemistry
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
吉田 清嗣 Tokyo Medical and Dental University, 難治疾患研究所, 准教授 (70345312)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | アポトーシス / ストレス / DNA損傷 / プロテオミクス / キナーゼ / がん細胞 |
Research Abstract |
c-Ab1チロシンキナーゼは様々な細胞内シグナル伝達に関わっており、核内と細胞質を行き来することが知られている。これまでの申請者の研究によりc-Ab1はDNA損傷に伴って核に移行することを見い出しており、この一過性の核移行が細胞死(アポトーシス)誘導に必須であることを明らかにしていた。多くのc-Ab1は14-3-3と結合することによって不活性の状態で細胞質にとどまっているが、細胞に酸化ストレスやDNA損傷が加わると、14-3-3から解離し核に移行した後に活性化し、細胞死(アポトーシス)を誘導するのである。c-Ab1 Thr735のリン酸化は14-3-3結合モティーフでありc-Ab1の局在制御において重要な役割をもつことが予想される。しかしながら、Thr735をリン酸化するキナーゼが不明であった。そこで、Thr735特異的リン酸化抗体とcDNAライブラリーファージを用いたスクリーニングによりc-Ab1 Thr735をリン酸化するキナーゼの同定を試みた。その結果、候補にCLK1、CLK4、MST1、MST2、TTK/Mps1という5種類のキナーゼが候補として同定され、またsiRNAを用いた実験から、内在性のTTKが細胞内でThr735をリン酸化するキナーゼであることを明らかにした。さらにTTKをノックダウンするとc-Ab1の核内集積が起こり、酸化ストレスによるc-Ab1依存的なアポトーシスが促進したことから、c-Ab1を細胞質内に留めることで酸化ストレスによるアポトーシスに抵抗性を示すというTTKの新たな機能が示唆された。本研究は、TTK/Mps1という今までほとんど基質が明らかにされていなかったキナーゼが、c-Ab1のリン酸化とアポトーシス誘導という、極めて重要な機能を果たしている可能性を提示することができた。さらにこのキナーゼが、がんをはじめとするアポトーシスに関与する疾患の治療を考える上で、新たなターゲットになり得る可能性が示唆された。
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