Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Research Abstract |
瞬目反射学習に関与する小脳の領域を調べることを目的として,条件付け時の小脳の活動を自家蛍光イメージングにより解析した。マウス(C57BL/6)に手術を行い回復させた後,頭部固定条件下で,音を条件刺激,瞼への電気刺激を無条件刺激とする瞬目反射条件付け(遅延課題)を行い,その際に小脳から経頭蓋骨的に自家蛍光を測定した。非固定条件下と同様に,条件付け群では数日間の条件付けで学習が成立したが,偽条件付け群では学習は成立しなかった。小脳における自家蛍光は,条件刺激の提示後,上昇相と下降相からなる応答を示した。このうち上昇相は条件付け初期に,条件付け群において偽条件付け群より大きい傾向を示した。これらの結果は自家蛍光イメージングを用いることにより,運動学習伴う小脳活動の変化を高感度に測定できることを示唆している。 またDBA/2マウスは瞬目反射条件付けにおいて小脳依存性が高いことが知られているため,イメージングによる小脳活動の解析に適していると考えられる。そこで頭部固定下における学習の可能性を検討した。その結果,DBA/2マウスはC57BL/6マウスと同様に遅延課題は学習するが,上位中枢依存性が高いトレース課題では顕著な学習障害を示すことが明らかとなった。一方,C57BL/6マウスは頭部固定下においても,十分,トレース課題を学習することが明らかとなった。以上の結果は,頭部固定条件下で行わなければならないイメージングにおいては,小脳の解析にはDBA/2マウスを,海馬を含めた上位中枢の解析にはC57BL/6マウスを用いると良いことを示唆している。
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