Project/Area Number |
19657069
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Developmental biology
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
荒木 正介 Nara Women's University, 理学部, 教授 (00118449)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2008: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Keywords | 松果体 / 眼発生 / 網膜 / 第3の目 / 脊椎動物の進化 / ニワトリ胚 / 形態形成 / 眼の発生 / 進化 / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
眼と松果体は、個体発生がよく以ており、いわば姉妹器官と言える。松果体は時として第3の眼と呼ばれる構造に発生することもある。しかし、ほ乳類など高等脊椎動物の松果体は内分秘器官であり、形態上、機能上、眼(網膜)との類似性はない。本研究は、系統進化上、松果体発生に何が生じたのかを解析する事によって、器官発生の機構の研究を深化しようとするものである。今年度は、以下の項目について研究した。 (1)昨年度行ったトリ胚松果体細胞の解離旋回培養と同様の実験を、今年度はラットを用いて行った。生後すぐのラット松果体を分離し、組織を解離後、旋回培養して再凝集形成条件に置くと、均一のサイズの集合体を形成した。網膜細胞に特異的な抗体により構造を調べると、抗rhodopsin抗体に陽性の視細胞分化、抗Calretinin抗体や抗Pax6抗体に陽性のアマクリン細胞の分化が示された。視細胞は常に表層部に、アマクリン細胞は中層部に分布した。さらに、神経幹細胞マーカーであるNestinの分布を調べると、多数の陽性細胞が見られた。この結果は、ほ乳類松果体には神経幹細胞、特に網膜幹細胞があり、網膜細胞分化能を発現する事を強く示唆している。 (2)昨年度に引き続き、トリ胚松果体に遺伝子強制発現する事を試みた。発生中の松果体はきわめて小さく、再現性のあるエレクトロポレーションは困難である。そこで、コラーゲン溶液に目的の遺伝子プラスミドを加え、ゲル化した小片を強制発現する方法を考案した。GFPを用いて調べたところ、効果は高く、優れた方法であることが示された。まだ結果が出ていないが、この手法をいくつかの眼の発生初期に発現する遺伝子(Six3,Otx2,Chx10)に応用した。 (3)昨年度開発した松果体原基の器官培養では、形態的にほぼ正常発生過程を再現できる。この培養系で遺伝子導入法を検討した。
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