Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Research Abstract |
岡山県鏡野町に設置した崩壊を有する試験流域において,異常な地下水位の上昇が確認される場所と確認されない場所の違いを明らかにするために次のような調査を実施した。崩壊を通る縦断測線を設け,地下水位観測を行った。また,この測線上で比抵抗2次元影像法による電気探査を行った。電極間隔は2.5m間隔で,ダイポールーダイポール法で行った。探査深度は約18mである。電気探査を行った時期は,夏の晴天の続いた土層の乾燥した時期と,平常の降雨のあった直後,台風により総雨量200mm程度の降雨のあった直後に行った。台風前後の電気探査結果から,比抵抗分布の変化率を算出した。比抵抗の変化率の分布を検討した結果,花崗岩基盤が存在すると考えられる位置で,線状の低比抵抗部位が確認された。これは降水が土層を浸透し,花崗岩中の割れ目を浸透しているためと考えられた。そこで,測線上の露頭に見られる花崗岩岩盤節理の走向傾斜を測定した。降水の浸透経路は岩盤節理の走行・傾斜と一致し,降水が岩盤節理内を浸透しているものと考えられた。また,地下水観測の結果,降雨に対して非常に反応の良い場所は,低比抵抗の部位が線状に繋がる部位で,岩盤節理から地下水の湧出する場所で異常な地下水位の上昇が確認されていることも明らかとなった。流域内全体で電気探査を実施し,比抵抗の小さい場所を確認した結果,崩壊発生位置直下,直上には必ず地下水の湧出する場所存在し,崩壊発生場所は地下水の湧出する岩盤節理の位置が大きく影響を与えていることが明らかとなった。
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