Research Project
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
有機物を構成している分子が化学変化を起して分子の形を変えていくときに、化学変化前後の結合総エネルギー差分が光として外部に放出されることがある。これがケミルミネッセンスと呼ばれる極微弱な光である。この微弱発光現象は食用油脂の劣化度の判定などに応用されているが、ほとんどが測定波長範囲の光量を積分値として測定している。そこで、最近開発された、高感度の分光系を採用した微弱発光分光装置(日本アプライドテクノロジ社、ナノルミネッセンス・スペクトロメータMS-8310)を用い、玄米の発光の由来を調査した。1.青米をさらに生青米と死青米に選別し、測定環境ガスを空気と窒素で測定した。整粒・生青米では測定環境ガスが空気の状態よりも窒素置換を行ったほうが発光強度は低かったが、死青米では同様の効果が確認されず、窒素置換を行っても発光強度に変化は見られなかった。したがって、死青米の発光は酸素由来のものだけでなく、何か他の現象も同時に捉えているのではないかと考えられる。2.一重項酸素の消光剤として知られているアジ化ナトリウムを糠に添加すると発光が抑制されるかどうか検討した。糠をアジ化ナトリウム溶液に浸漬した直後に測定しても消光効果が現れないことが予備実験で判明していたので、糠を溶液に浸漬し、十分に膨潤した後、凍結乾燥を行ったサンプルで測定を行った。発光強度は無処理の状態で最高、対照区で最低であり、また、アジ化ナトリウムの濃度が高いほど発光強度も高かった。液体におけるアジ化ナトリウムの消光効果は確認されているので、糠のような固体で反応を観測するには測定条件の検討がさらに必要であると考えられる。
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国際食品工業展FOOMA2009アカデミックプラザ研究発表要旨集 16
Pages: 122-125
Proceedings of the 5th CIGR Section VI International Symposium on Food Processing, Monitoring Technology in Bioprocesses and Food Quality Management, Potsdam, Germany, 31 August-02 September 2009
Pages: 1339-1342
http://www.tr.yamagata-u.ac.jp/~agr-machinery/