Research Project
Grant-in-Aid for Exploratory Research
生体の器官の組織の構築と機能維持には、ライフラインとしてその栄養にあたる血管系の発生が密接に関連する。中枢神経系においても、発生過程に応じて脈管形成、血管新生や、血管ネットワークの走行パターンが巧妙に制御されていることが考えられ、マウスの小脳をモデルシステムとする解析を進めた。小脳の組織構築においては、皮質の層構築とともに、前後方向、内外側方向での区域化が特徴的である。内外側方向の区域化として、縦縞状の小脳皮質傍矢状帯域が可視化されるトランスジェニックマウスを解析したところ、傍矢状帯域帯域の境界部によく一致して分子層を貫く血管が走行しており、出生直後からのおよそ5日間では、Pax6免疫陽性の顆粒細胞がこの部で移動する所見が認められたことから、血管構造がニューロンの細胞移動に関与している可能性が考えられた。小脳皮質構築における顆粒細胞移動の早期過程に注目して、Pax6、GFAP、PE-CAMに対する多重免疫染色法によって、ニューロン、グリア、血管の関連について追究した。また、出生3日後からのマウス小脳スライス培養系において、血管構造に注目して、血管が成長・維持されつつ顆粒細胞の移動が追跡できる条件を検討した。さらに、Eph-Ephrin系のメンバーについて、in situ hybridization法と免疫組織化学法の多重染色によって発現細胞の同定を試み、小脳皮質の分子層において、回路網形成期に応じて、層構造を貫く血管から層内での横方向への分岐が制御的に生じることが示唆された。
All 2009 2008 2007
All Journal Article (6 results) (of which Peer Reviewed: 6 results) Presentation (5 results) Book (1 results)
The Journal of Neuroscience 29
Pages: 2984-2996
The Journal of Biological chemistry 283
Pages: 20830-20840
Neural Networks 21
Pages: 1056-1069
Biochemical and Biophysical Research Communications 367
Pages: 226-233
Journal of Neuroscience 27
Pages: 5903-5914
Neuroscience 148
Pages: 510-521