Research Project
Grant-in-Aid for Exploratory Research
本研究ではLTPなどのシナプス可塑性の制御に関わるPDZタンパク質を、網羅的かつ低コストで精度良く解析する技術基盤を確立し、シナプス可塑性を制御するPDZタンパク質をゲノムワイドに探索することを目的としている。この目的のため、平成19年度においては、細胞外領域にHAタグ配列を付加したGluR1サブユニットを用いることによってAMPA型グルタミン酸受容体GluR1サブユニットのシナプス後部細胞膜への移行をモニターするアッセイ系を構築したが、本年度はこのアッセイ系によって実際にシナプス可塑性をモニターできるかについて調べた。その結果、TTXなど神経活動を変化させる薬物を前投与することによって、膜に存在するGluR1サブユニットの量が変化することが明らかとなった。しかも、このGluR1サブユニット膜移行の検出は定量的かつ高感度であり、スクリーニングに耐えられるレベルであることが確認された。また、本研究で用いるsiRNA発現ベクターはEPRIL法で作製されるが、このsiRNA発現ベクターは様々な配列の混合物である。そこで、この混合物が実際に高いノックダウン効果を示すかどうかを調べた。その結果、リン酸カルシウム法で導入を行った場合、神経細胞内の分子が高効率にノックダウンされることが示された。その他、ハードウェアの面では、96穴プレートで画像を自動的に取得して効率の良いスクリーニングを可能とするシステムを構築した。以上、シナプス可塑性を担う分子を網羅的にスクリーニングする技術が確立された。
All 2009 2008
All Presentation (2 results)