Project/Area Number |
19659054
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General physiology
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
根本 知己 National Institute for Physiological Sciences, 脳機能計測センター, 准教授 (50291084)
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Project Period (FY) |
2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
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Keywords | 生理学 / 2光子顕微鏡 / 高性能レーザー / 生物物理学 |
Research Abstract |
一分子蛍光観察法は、単一の分子の動態を実時間で解析し得る画期的な解析法であり、現在、生物物理学におけるin vitroの一分子解析の分野を中心に盛ん用いられているものの、細胞質で機能している分子を観察する際には、自家蛍光が邪魔になって通常の光学顕微鏡法では不可能と考えられ、実際、生きた細胞及び組織内の一分子観察でその機能を探ることは、自家蛍光の無い細胞核内以外では報告がなかった。本研究課題では、生体組織への深部到達性に優れた多光子励起法(2光子顕微鏡)を用いることにより、細胞の表層のみならず正常な組織内部で、一分子蛍光イメージングを用いた細胞機能測定が可能であるかどうか、その可能性を検討することを目的とした。まず、高感度PMTとファイバー接続型のスペクトラムメータを用いて、微弱な蛍光光子を検出し、量子計測と蛍光スペクトラムの取得を実行可能なシステムの作成を行った。次に、2光子励起蛍光強度の超短光パルスレーザー強度の依存性について検討を行ったところ、通常の有機分子系の蛍光分子の場合では1分子当たりの蛍光光子の発生数は十分な励起高強度では原理的には背景光のノイズレベルを超え得た。しかし、1分子イメージングにおいて最もクリティカルであると予想された細胞質中では自家蛍光については2光子励起であっても非常に高いことが判明した。次に量子ドットを用いて一分子蛍光観察の可能性を検討したところで、十分なS/Nを得ることができることが判明した。 海外の他研究グループによる類似の研究成果ではデコンボリューションにより単一蛍光分子の解像に成功したいという報告を合わせて検討すると、高輝度蛍光物質や他の方法論を補助的に利用することにより、多光子励起法により一分子蛍光イメージングを用いた細胞機能測定の可能性が示された。
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