心臟弁に発現する血管新生抑制因子テノモジュリンの機能解析
Project/Area Number |
19659206
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
福田 恵一 Keio University, 医学部, 教授 (20199227)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伯野 大彦 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (80286476)
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Project Period (FY) |
2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
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Keywords | 心臓弁膜症 / 血管新生 / テノモジュリン / マトリックスメタロプロテアーゼ / 腱索 / 僧帽弁閉鎖不全症 |
Research Abstract |
心臓において、弁膜は無血管組織であることが知られているが、様々な弁膜疾患でその無血管性が破綻していることが知られている。弁膜同様無血管組織である腱索の構造維持及び病態発症にいたる分子的メカニズムについてはいまだ未知である。今回我々はChondromodulin-IのC末端と相同性を有し、腱組織から抽出されたTenomodulinという膜貫通蛋白質に特に注目し、腱索の構造維持及び病態発症にいたる分子的メカニズムについて解析した。(1)マウス各胎生期、成獣およびブタの心臓を用いて、RT-PCR法、Western blotting法により腱索におけるTenomoduinの発現を解析した。胎生14.5日よりTenomodulinの発現は認められ、腱索特異的であった。(2)ヒト剖検例及び手術例における腱索組織標本を作製し、HE・EVG染色及び各種一次抗体(Tenomodulin,VEGF-A,MMP-1,2,3,9,13等)を用いた免疫組織化学染色を施行、病態発生のメカニズムについて解析した。正常ヒト腱索において、Tenomodulinは内皮下のエラスチンが豊富な層に同心円状に発現していた。ヒト腱索断裂症例ではTenomodulinの発現は断裂部に一致し消失しており、同部位にはVEGF-A、MMP-1,2,13の強い発現、炎症性細胞浸潤、異常な新生血管が認められた。(3)腱索間質細胞の初代培養を行い、その培養上清を用いてヒト冠動脈内皮細胞の血管管腔形成能、遊走能に対する作用を解析した。腱索細胞の培養上清には血管内皮細胞の管腔形成能及び遊走能を抑制する作用が認められ、これらの作用はTenomodulinのsiRNAを用いることにより減弱させることができた。(4)犬の腱索損傷モデルを作成し、腱索の組織学的変化を経時的に評価した。腱索の内部(中心部)に向かい経時的に新生血管、VEGF-A、MMPの発現が認められるようになり、ヒトの腱索断裂組織における所見と酷似していた。Tenomodulinは血管新生挿制因子として腱索構造の維持に重要であり、Tenomodulinの欠失・血管新生促進・MMP活性化が複合的に関与し腱索の変性さらには断裂をきたすメカニズムが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
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