SREBP2過剰発現マウスによるコレステロール代謝とインスリン分泌の関連の検討
Project/Area Number |
19659231
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Metabolomics
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
島野 仁 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (20251241)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松坂 賢 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教 (70400679)
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Project Period (FY) |
2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2007: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
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Keywords | 転写因子 / 脂質代謝 / インスリン / 糖尿病 |
Research Abstract |
脂質合成転写因子SREBPファミリーのうち脂肪酸、トリグリセリドの合成を支配するSREBP-1cについては、膵β細胞脂肪毒性の病態に関与することを我々は報告してきた。しかしコレステロール合成を制御するSREBP-2の膵β細胞での役割や糖尿病病態への関与は不明である。そこでわれわれはラットインスリンプロモーターを用いてヒト核型(活性型)SREBP-2過剰発現トランスジェニックマウス(RIPTgBP2)を作製して解析した。 意外な事に発現量の多いRIPTgBP2は著明な高血糖、インスリンの低下を示した。糖尿病の程度は、膵β細胞でのSREBP-2発現の程度に相関した。インスリン分泌能低下は、糖負荷試験において著明であり、膵臓の病理切片では、ラ氏島の数とサイズの減少、形態異常を伴いインスリン免疫染色も著明に低下した。 ラ氏島を膵臓から単離した解析では、低形成を示すラ氏島だけでなく、糖尿病の程度が相対的に軽度な低発現ラインにおいても糖反応性,カリウム反応性、SU剤反応性のインスリン分泌が低下していた。ラ氏島は、トリグリセリドは蓄積せずコレステロールエステルが蓄積していた。RNAを採取しRT-PCRにて種々の遺伝子発現を検討すると、インスリン、PDX1、NeuroD/BETA2の低下を認めβ細胞の異常が示唆された。 以上よりSREBP-2の強制発現によりコレステロール合成が活性化し、コレステロールが蓄積する状態では、β細胞の分化、機能に著しい障害が起こり、インスリン分泌障害型の糖尿病を呈することが明らかになった。 従来より知られるトリグリセリドの蓄積に伴う膵β細胞脂肪毒性とは異なりコレステロールもβ細胞の障害に関わることが示唆され、新しい糖尿病の病態として今後検討する必要があると思われる。
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Report
(1 results)
Research Products
(21 results)