機能的銅キャリアー分子を用いたメンケス病の治療法開発
Project/Area Number |
19659260
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pediatrics
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宗形 光敏 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 非常勤講師 (30312573)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
児玉 浩子 帝京大学, 医学部, 教授 (00093386)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | Menkes病 / ATP7A / cytochrome-c oxydase / Cu-PTSM / 銅 / Macular mouse |
Research Abstract |
Menkes病は銅トランスポーターATP7Aの遺伝子異常による銅の吸収および細胞内送達障害が原因である。ATP7Aの遺伝子異常を有し、Menkes病の病態マウスとなっているMacularマウスを用いて、有機銅錯体Cu-PTSMの治療効果を昨年度に引き続き検討した。 大脳前頭葉皮質切片のcytochrome-c oxydase組織化学染色を行った。この手法では組織内cytochrome-c oxydase(COX)の活性を染色濃度によりin situで定量することができる。COXは銅含有酵素であり、大脳皮質内のCOX活性はCu-PTSMを用いた場合、塩化銅を用いるより、より高い活性を示した。これは、細胞内COXが作られる場へより有効に銅が送達されることを示唆する。 銅の体内分布については昨年度報告したが、腎への異常蓄積については、同じ量の銅を塩化銅として等補した場合に比し、約半量であった。銅の蓄積は尿細管に起こるが、HE及びPAS染色で尿細管を観察したが壊死脱落像は認められなかった。従って、Cu-PTSMでは銅は腎へ蓄積しにくいと考えられる。これは、Cu-PTSMが高血流にも関わらず腎への定着が少ないという核医学の研究報告とも一致する。銅の投与が長期にわたることを考えるとこのことは一つ利点となる。 HE染色、クリューバーバレラ染色、エラスティカマッソン染色にて各臓器を観察したが、光顕レベルでは群間で顕著な差はみられなかった。 今回、Cu-PTSMによる銅の送達がより有効に機能したこと、腎への低蓄積性など、治療薬としての可能性が示唆された。今後、Cu-PTSMの投与法の検討、Cu-PTSMアナローグの検討などを継続してゆく予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)