Project/Area Number |
19659422
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Obstetrics and gynecology
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡部 勝 Osaka University, 微生物病研究所, 教授 (30089875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊川 正人 大阪大学, 微生物病研究所, 准教授 (20304066)
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Project Period (FY) |
2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
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Keywords | 胎盤 / 脱落膜 / レンチウイルスベクター / 遺伝子操作動物 |
Research Abstract |
着床や胎盤形成メカニズムの解明を目的として、近年では遺伝子操作動物を利用した研究も試みられているが、既存の遺伝子導入(TG)や遺伝子欠損(KO)法では胎盤のみならず胎児の遺伝子も操作されてしまう。胎児に遺伝子を導入することなく胎盤や脱落膜のみを遺伝子操作できれば様々な応用が期待される。 我々はこれまでにレンチウイルス(LV)ベクターがマウス初期胚への遺伝子導入に優れたベクターであることを報告している。本研究では(1)胚盤胞期胚の最外層を形成する栄養外胚葉細胞が胎盤へ分化する性質を利用し、LVベクターを胚盤胞に感染させることで胎盤特異的に遺伝子操作する。(2)着床期の胚が母体由来の脱落膜に包み込まれていることに着目し、子宮内にLVベクターを注入することで脱落膜のみに遺伝子を導入する。といった新しい手法を開発し胎盤や脱落膜の機能を分子生物学的に解明することを試みた。 レポーターとしてEGFPを発現するLVベクターを調製し、酸性タイロード処理により透明帯を除去した胚盤胞に感染させて偽妊娠マウスの子宮に移植した。胎生13.5日目に解剖したところ、胎児への遺伝子導入は確認されず胎盤のみに緑色蛍光が検出された。胎盤特異的な遺伝子導入はPCR解析によっても確認された。またこの方法を応用することで、胎盤異常が原因で胎児が死亡するようなKOマウスをレスキューし産仔を得ることができた。さらに着床期の子宮内にLVベクターを注入することで脱落膜のみに遺伝子を導入できることも明らかにしたが、現時点では適当なモデルマウスが見つからず脱落膜特異的な遺伝子操作により流産を防ぐという具体的な例を示すことはできなかった。しかしレポーターレベルではあるが、これまでに報告のない脱落膜特異的な遺伝子操作が可能であることが示されたので、今回の結果は今後、脱落膜において重要な役割を果たす遺伝子の探索や機能解析に役立つと考えられる。
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