ドラッグデリバリーシステムを用いた細胞増殖因子による声帯萎縮の治療
Project/Area Number |
19659436
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Otorhinolaryngology
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平野 滋 Kyoto University, 医学研究科, 講師 (10303827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金丸 眞一 京都大学, 医学研究科, 講師 (30324643)
田村 芳寛 京都大学, 医学研究科, 助教 (40397550)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 声帯萎縮 / 声帯瘢痕 / 再生医療 / 肝細胞増殖因子 / ドラッグデリバリーシステム / ゼラチンハイドロゲル / 声帯振動 / 組織再生 / 再生 / 喉頭 / 増殖因子 / 声帯 / 除放 / 瘢痕 / 細胞外マトリックス |
Research Abstract |
肝細胞増殖因子(HGF)を用いた声帯瘢痕の粘膜再生実験を行った。HGFにゼラチンハイドロゲルを付加することで、声帯粘膜内で2週間かけて除放するドラッグデリバリーシステムを構築した。これを用いてイヌ瘢痕声帯のin vivoにおける再生効果を検討した。イヌ声帯の一側を切除することで瘢痕を形成した。1ヶ月後および6ヵ月後の急性・慢性瘢痕に対し、それぞれHGFハイドロゲルを局所注射した。その効果を急性瘢痕においては6ヵ月後に、慢性瘢痕に対しては3ヵ月後に検討した。検討項目は摘出喉頭を用いた吹鳴実験による声帯粘膜の振動状態の定量化、ならびに喉頭の組織学的解析とした。(1)急性瘢痕に対する効果:吹鳴実験による声帯振動においては、HGF治療を行わなかった瘢痕声帯に対し、声帯振動の振幅の増大、声門閉鎖不全の改善、発声閾値声門下圧の有意な低下を認め、機能的な再生効果が認められた。組織学的検討においては、HGF治療群において、コラーゲンの蓄積の解消、ヒアルロン酸の回復、エラスチンの回復など、声帯の粘膜振動に必要な細胞外マトリックスの再構築が確認された。(2)慢性瘢痕に対する効果:慢性瘢痕にHGFを投与した群では、声門閉鎖不全は有意な改善は認められなかったが、声帯振動振幅の改善と発声閾値声門下圧の有意な低下を認め、急性瘢痕ほどではないが、粘膜の再生効果がえられた。組織学的にも、コラーゲンの過剰蓄積は解消され、ヒアルロン酸の回復が観察された。これらの結果は、HGFが急性瘢痕のみならず、治療が最も困難な慢性瘢痕においても、ある程度の粘膜再生効果を有することを示した。HGFを除放化することで、その効果がより強力にできた可能性が考えられた。
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Report
(2 results)
Research Products
(24 results)