口腔白板症の悪性化に関わる因子は何か?-HuRと細胞質移行タンパクの解析-
Project/Area Number |
19659516
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Surgical dentistry
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
進藤 正信 Hokkaido University, 大学院・歯学研究科, 教授 (20162802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東野 史裕 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 准教授 (50301891)
樋田 京子 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (40399952)
北村 哲也 (北村 哲孔) 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 学術研究員 (00451451)
戸塚 靖則 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (00109456)
小林 正伸 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 准教授 (80241321)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 口腔白板症 / 悪性化因子 / 核細胞質移行 / HuR / ARE mRNA |
Research Abstract |
口腔の悪性腫瘍の大部分は扁平上皮がんが占めており、口腔がんの発症・進展は患者の咀嚼や発音などの機能障害だけでなく、審美障害を引き起こすため、その治療成績の改善は患者のQuolity of Life (QOL)の向上に密接な関係を有している。口腔は、可視化できる臓器であるため、これまで口腔扁平上皮がんの前がん病変として、所謂、白板症があることが知られている。 我々は、これまで口腔扁平上皮がんの発生・進展に関わっている遺伝子/遺伝子産物の研究を行ってきた。アデノウイルスのがん遺伝子産物を研究する過程で、E4orf6がAU-rich element (ARE)に結合することでmRNAを安定化させるHuRと結合し、核から細胞質へ移行することで細胞がん化を導くことを明らかにした。 口腔癌細胞株HSC3, Ca9.22を用いてHuRの発現をWestern blotおよび免疫染色で検索した。その結果、両細胞でHuRの発現は亢進し細胞質へ移行していることが明らかになった。HSC3の細胞増殖能はHuRの細胞質での発現がみられない歯肉線維芽細胞に比べ明らかに亢進していた。口腔がん細胞における駅EmRNAであるc-fos, c-myc mRNAの局在をin situ hybridization法で検討したところ正常細胞であるHGF(ヒト歯肉線維芽細胞)では核に局在していたが、口腔がん細胞では核および細胞質に存在し、ARE mRNAが核外輸送されていることが明らかになった。 さらに定量RT-PCR法でARE mRNAの安定化について検索した。その結果、口腔がん細胞ではc-fos, c-mycが細胞質内に蓄積・安定化されていた。 以上の結果は、口腔がん細胞ではHuRが核外へ輸送され、同時にARE mRNAも核外輸送・安定化されていることを示しており、HuRの細胞質への輸送局在を検討することにより、早期の細胞がん化を判定できる可能性が示された。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)