Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮沢 裕夫 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 教授 (90147637)
中村 美どり 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (90278177)
中道 裕子 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 助教 (20350829)
上原 俊介 松本歯科大学, 歯学部, 助教 (90434480)
宇田川 信之 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (70245801)
|
Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Research Abstract |
ヒトCD14陽性細胞はRANKLおよびM-CSF(macrophage colony-stimulating factor)の存在下で破骨細胞に分化する.CD14陽性細胞は4つのPGE_2受容体のうちEP2,EP4を発現しており,一方で破骨細胞はどのサブタイブも発現が認められなかった.PGE_2およびPGE_1 alcohol(EP2/4アゴニスト)はCD14陽性細胞においてcAMPの産生を促進した.マウス骨髄マクロファージ培養系とは異なり,PGE_2およびPGE_1 alcoholはCD14陽性細胞培養系において,RANKL誘導性のヒト破骨細胞分化を抑制した.また,H89(PKA阻害剤)はヒト破骨細胞分化におけるPGE_2の抑制作用を阻害した.これらの結果から,ヒト破骨細胞分化におけるPGE_2の抑制作用は,EP2,EP4受容体を介していることが示唆された.SaOS4/3細胞はヒト末梢血単核細胞との共存培養において,副甲状腺ホルモン(PTH)存在下で破骨細胞を誘導する.PGE_2はSaOS4/3細胞とCD14陽性細胞との共存培養系において,PTH誘導性の破骨細胞分化を抑制し,COX-2(cyclooxgenase-2)阻害剤であるNS398は促進的に作用した.CD14陽性細胞とマウス骨髄マクロファージを同一ディッシュ上にてお互いが接触しないようにスポットで播種し,同一の培養上清中で培養したところ,PGE_2添加により両者の破骨細胞形成が抑制された.PGE_2処理を行ったCD14陽性細胞の培養上清は,CD14陽性細胞培養系のみならず,マウス骨髄マクロファージ培養系におけるRANKL誘導性の破骨細胞分化も抑制した.以上の結果より,PGE_2は破骨細胞前駆細胞に作用し,何らかの因子の産生を促すことにより,ヒト破骨細胞分化を抑制することが示唆された.
|