Project/Area Number |
19659549
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Periodontal dentistry
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
齋藤 正寛 Osaka University, 大学院・歯学研究科, 講師 (40215562)
|
Project Period (FY) |
2007 – 2009
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
|
Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Keywords | EST / 歯根膜 / 網羅的解析 / 遺伝子プロファイリング / データベース / 細胞外マトリックス / 発生 / 歯胚 |
Research Abstract |
本研究では、歯根膜の発生および再生に関わる分子群の全貌を明らかにするために、ヒト歯根膜遺伝子発現プロファイリングデータベースを作製し、同データベースより歯根膜発生に関わる機能分子を網羅的にスクリーニングした。その結果、f-spondinが歯根膜の発生原基である歯小嚢に特異的に発現することを見出した。f-spondinの発現パターンを解析すると、発生期歯胚の歯小嚢で高発現するが、歯小嚢が歯根膜に分化するとその発現は明らかに低下した。そこでf-spondinの機能解析を行う目的に、培養ヒト歯根膜細胞にf-spondinを過剰発現させ、歯根膜細胞分化に及ぼす影響を解析した。歯根膜はコラーゲン線維に富む結合組織であることから、コラーゲン線維の主成分であるI型コラーゲンならびにコラーゲン線維形成を調整するXII型コラーゲンの遺伝子発現レベルをrealtime PCRで定量した。その結果、f-spondinを過剰発現しているヒト歯根膜細胞ではI型ならびにXII型コラーゲンの遺伝子発現が顕著に低下することが確認された。次にshRNAiを用いてヒト歯根膜細胞においてf-spondin遺伝子発現を挿制したところ、I型ならびにXII型コラーゲンの遺伝子発現の増加が認められた。この結果より、f-spondinはコラーゲン線維形成に関わる遺伝子発現を抑制することから、同分子が歯根膜細胞分化を抑制している可能性が示唆された。そこで免疫不全マウスへの皮下移植実験による分化誘導系を用いて、f-spondinを過剰発現させたヒト歯根膜細胞の分化能力を判定した。一ヶ月移植後に移植片を摘出し、歯根膜細胞の分化マーカーであるtenascin-Nの発現を解析した。その結果、F-spondinを過剰発現させたヒト歯根膜細胞移植片では、tenascin N発現が顕著に低下していることが判明した。以上の結果よりF-spondinは歯小嚢において、歯根膜細胞分化を抑制する因子であることが示された。今後はf-spondinの歯小嚢発生に及ぼす影響を解析し、歯根膜発生おける機能を解明していく予定である。
|