Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
転写開始部位およびポリA付加部位をクローニングバイアス無く効率的に同定することを目的にクローニングフリーGIS法のプロトコールを設計し、出芽酵母由来RNAを材料に設計されたプロトコールの検証および改良を行った。この結果、1)cDNAの5'及び3'の両端にアダプターを付加し、このアダプターを介してcDNAの環状化する操作、2)環状化したcDNAからタイプIIS型制限酵素によりタグ配列を切り出す操作、3)切り出したタグの塩基配列決定操作、の再現性のあるプロトコール確立に成功した。当初、実験操作上の都合から数+μgのpolyA-RNAを出発材料に検証を行っていたが、いくつかの問題点を解決した結果、より微量な5μgのtotal RNAを出発材料としてタグ配列を決定するための鋳型の調整を行うことに成功しつつある。現在、微量サンプルからのタグ配列決定鋳型調整法の最終的なプロトコール確立に向けて検証を進めており、この作業が済み次第、超並列パイロシーケンサーによる配列決定操作を行う予定である。研究計画上は、外部委託により超並列パイロシーケンサーによる配列決定操作を行う予定である。研究計画上は、外部委託により超並列パイロシーケンサーによる40万タグの決定を行う予定であった。しかし所属する機関に同解析機器が導入されたため計画を変更し、同機器による配列決定技術を自ら習得しこれを行うことにした。既に技術の習得は済んでおり、鋳型が調整され次第配列を決定する予定である。実験プロトコールの開発と並行し、得られたデータの可視化を行うプログラム開発を進めている。UTゲノムブラウザのプラットフォームを利用し、このゲノムブラウザ上で得られたデータを表示するトラックの開発を行うことにした。グラフィカルユーザーインターフェースを介して得られたタグ配列のマッピングや表示に関する設定変更を行うことが可能な設計となっており、実験プロトコールと同時に公開することを目指して作業を進めている。