An Agent-based Approach to the Financial Stylized Facts
Project/Area Number |
19730227
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Public finance/Monetary economics
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
SHIMOKAWA Tetsuya Tokyo University of Science, 経営学部, 准教授 (30366447)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥1,680,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2008: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ファイナンス / 金融均衡理論 / 金融論 / エージェント |
Research Abstract |
近年の金融均衡理論研究の興味の中心は、Financial stylized facts(以下ではFSFと略する)をできるだけ多くを包含するような、より洗練されたモデルの構築にあるといえる。もしそのようなモデルが見つかれば、金融資産価格形成に大きな役割を果たす要因が特定できるからである。しかしながら、一般に、これまでの伝統的な理論モデルで採用されてきた強い仮定を緩め、「情報の不完全性」や「投資家の限定合理性」を均衡モデルの枠内で分析するのは非常に難しい作業となる。本研究ではこのような分析上の問題に対して、エージェントベース・シミュレーションを積極的に用いることで、解析的には分析することが困難な均衡収益率の統計的性質を明らかにし、既に知られているFSFとの整合性を検証したい。 (1)「ロス回避性」および「情報の拡散」効果といった意思決定上のバイアスが、市場価格形成にどのような影響を持ち得るかを分析した。その結果、両者ともに、多くのFSFと整合性を持つことがわかった。具体的には、収益率分布の大尖度、負の歪度、分散の強い自己相関、収益率の短期の自己相関など現実の市場でもよく知られている市場価格のゆがみが、これらの意思決定バイアスから生じうることを明らかにした。 (2)さらに、オプションなどより複雑な金融資産価格形成でのバイアスと意思決定モデルの関係を追求した。 (3)また、意思決定モデルそのものの精緻化も行った。近年、プロスペクト理論型効用モデルの精緻化が進んでいる。我々は、行動学的アプローチと脳神経科学アプローチの両面から、比較的大規模な経済学実験を行い、意思決定モデルをさらに精緻化した。さらに、この意思決定モデルを均衡理論の枠組みに組み込み価格形成との関係をシミュレーションにより明らかにした。
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Report
(3 results)
Research Products
(19 results)