Project/Area Number |
19740227
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Mathematical physics/Fundamental condensed matter physics
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Research Institution | The University of Tokyo (2008) Hokkaido University (2007) |
Principal Investigator |
NOGAWA Tomoaki The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特任研究員 (00399982)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥1,480,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2008: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2007: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 不規則系 / 超伝導 / 磁束格子 / 不純物ピン止め / 非平衡ダイナミクス / ランダムネス / 相転移 / 非平衡定常運動 / 超伝導磁束格子 / 電荷密度波 |
Research Abstract |
本研究では不純物等によるランダムなピン止めが存在するときの超伝導磁束格子の併進ダイナミクスを数値シミュレーションによって調べた。流体的なふるまいと固体的なふるまいを同時に扱い得るシンプルな格子場のモデルを考案し、ピン止め強度や駆動力などのパラメータに対し駆動状態がどのように変化するかを検証した。 2次元系においてシミュレーションを行った結果、ピン止めが駆動力に対して相対的に弱いときには、磁束渦糸が結晶化したままの比較的スムーズなスライド運動が観測された。一方ピン止めが駆動力に対して強い時には不均一で流体的な運動が観測された。このときピン止めの強い部分領域は静止したまま、そこを迂回するような流れ揚が形成された。これは結晶を破壊しながら進む塑性流動とみなせ、間欠的で遅いダイナミクスである。この2種の運動状態の間には特異性を伴う相転移はおこらないが、流動性が大きく成長する特徴的なクロスオーバーが存在する。磁束格子の移動のしやすさは超電流に対する散逸の大きさを意味するので、流体的状態は電気抵抗の低い超伝導に準ずる状態、固体的状態は散逸の大きい常伝導状態といえる。 上記のような粗視化モデルの妥当性を考察するため磁束渦糸を直接取り扱うことのできるXY模型によるシミュレーションも行った。渦糸の拡散ダイナミクスは履歴効果を伴う異常拡散であること、渦糸の密度が高い時、結晶異方性によって不純物がなくてもピン止めが起こり、その性質は粉体系のレオロジーで見られるジャミング転移と共通の側面を持っていることなどがわかった。
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