多点認識触媒を用いる不斉炭素骨格構築法の確立と量産型医薬合成プロセスへの展開
Project/Area Number |
19750070
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
五月女 宜裕 東大, 薬学研究科(研究院), 助教 (50431888)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥3,570,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 不斉触媒 / 不斉合成 / 医薬品 / ニトロアルドール反応 |
Research Abstract |
本申請課題では、触媒的不斉反応により提供し得る多様性を実践的医薬品開発研究へと展開することを目的とした。研究初年度に当たる平成19年度は、1.連続する不斉炭素骨格の構築法の開拓、2.それを用いる医薬品及びリード化合物群の効率的合成スキームの確立に焦点を当てた。その結果、二つのカテゴリーの標的化合物群について触媒的不斉合成を達成することができた。第一は、HIVプロテアーゼ阻害剤GRL-06579Aである。本合成では、我々が開発した触媒的不斉反応(ジアステレオ選択的ニトロアルドール反応、不斉マイケル反応)を用いて、二つの合成セグメントを構築した後に、合成終盤でそれらを収束的に連結させる方法論が特徴である。不斉マイケル反応では、ラセミ体の原料に対して(R)-ALBを用いる触媒的-速度論的光学分割を行いtrans-付加体を得た(44%、96% ee)。(R)-ALBを用い、回収される光学活性な原料(44%、80% ee)のマイケル反応を検討したところ、基質に存在する置換基方向から反応が進行し、不斉触媒制御によりcis-付加体が得られることも見いだした(54%、99% ee)。これらtrans-及びcis-付加体は、共通の中間体へと変換することができる。触媒的不斉反応を基軸とする本合成スキームにより、原子効率性について従来法を大幅に改良することができた。第二は、β-adrenocepterアゴニスト類の合成である。まず、新たに設計したPd/La/schiff塩基複核錯体触媒を用いたanti-選択的なニトロアルドール反応により連続する不斉炭素骨格の構築法を開発した。次いで得られた生成物ニトロ基の還元及び還元的アルキル化をone-potで行い、市販の原料からわずかthree-potsで標的化合物を合成することができた。本方法論はβ_2及びβ_3アゴニストに適用可能であり、その多様性を証明することもできた。また、α-ケトエステルを用いる四置換炭素構築型ニトロアルドール反応、α-キラルアルデヒドを基質とする3連続不斉点構築型ニトロアルドール反応の開発にも成功した。現在、これらの反応を用いた医薬品の効率的合成研究を継続中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)