Budget Amount *help |
¥3,780,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2008: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Research Abstract |
アルケンの分子内アリールシアノ化反応を開発した.同一分子内にアルケン部位を有するベンゾニトリル誘導体をいろいろ合成して,ニッケル/ルイス酸触媒存在下で反応させたところ,ベンジル位に四級炭素を含んだ環状構造を有するさまざまなニトリルが収率良く得られることをみつけた.さらに光学活性配位子(S,S)-i-Pr-FOXAPや(R,R)-ChiraPhosを用いることによって分子内アリールシアノ化反応がエナンチオ選択的に進行し,不斉四級炭素を有するニトリルも原子効率よく合成もできるようになった.この不斉触媒反応を利用することによって,アルツハイマー病治療薬の候補品である(-)-physostigmineの合成中間体である(-)-esermetholeや鎮痛剤(-)-eptazocineの不斉(形式)全合成を達成した.また,ニッケル/ルイス酸触媒存在下,シアン化アルキニルがシクロプロペンに対してシス選択的に分子間付加することをみつけた.本研究で開発したこれらのカルボシアノ化反応は,医薬品や農薬などに多く含まれている多置換環状分子の高効率かつ立体選択的合成法として有用である.
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