抗生物質の骨格構造を構築する新規ヘム酵素の触媒機構の分光学的・結晶構造学的解析
Project/Area Number |
19770120
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional biochemistry
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
平野 聡 理研, 研究員 (10446528)
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Project Period (FY) |
2007 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 抗生物質性合成系 / 酵素 / X線結晶構造解析 |
Research Abstract |
インドール含有抗生物質の骨格構造を決定する蛋白質について結晶構造解析を用いて研究を進めた。本年度は、ビオラセイン型骨格形成を行う酵素VioEの結晶構造解析と、トリプトファン代謝物からのビオラセイン型骨格とスタウロウスポリン型骨格両方の基となる産物を作るヘム蛋白質StaD及びそのホモログの結晶化に向けての発現・精製条件の検討を行った。 酵素VioEは良好な結晶を得ることに成功し、SPring8のビームラインを用いて2.0Åでの構造解析に成功した。VioEは結晶構造中でダイマーを形成しており、それぞれのサブユニットは主に11本のβストランドで構成され、それらは野球グローブのような形の、一層の逆平行βシートを形成していることが明らかになった。各サブユニット中央には正電荷をもつポケットが存在していた。基質アナログとの複合体結晶構造解析と共同研究者による変異体解析結果から、この正電荷をもつポケットがVioEの活性部位であることを明らかにした。さらにドッキングシミュレーションを行い、その結果からVioEの酵素反応メカニズムを提唱した。 酵素StaDはこれまで大腸菌による発現系を用いて作製していたが、本年度は共同研究者より提供された放線菌での発現系を用いて発現を行った。放線菌での発現と精製条件を検討した結果、放線菌の発現系で生産した蛋白質は、ヘムの含有量が大腸菌で発現させたものより高く、非特異な分解の程度も少ないので、結晶化サンプルとしてより適していることがわかった。これらのサンプルを用いた結晶化には残念ながら成功していない。これらのサンプルを用いた結晶化には残念ながら成功していないが、今後は、放線菌発現系を用いたStaDホモログ蛋白質の生成条件検索も合わせて行い、結晶化を目指していく。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)