Budget Amount *help |
¥3,060,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
多くのヒトがん細胞において中心体異常が観察されることから,中心体異常を指標にした癌診断法の開発を試みた。中心体検出にはγ-tubulinモノクローナル抗体による免疫染色が有力であるが,市販の抗体はペプチドを抗原に作製した1種類のみである上に,免疫染色における感度も充分ではない。そこで,本研究では,ヒト全長γ-tubulin蛋白質を抗原に用いて実験を行った。その結果,8種類のγ-tubulinモノクローナル抗体の作製に成功した。これらの抗原特異性について検討した結果,すべての抗体がγ-tubulin蛋白質と特異的にしかも高い親和性を持って結合したが,中でもB37-12,C27-11,G30-11の親和性が高かった。γ-tubulin蛋白質をN末端部分,中央部分,あるいはC末端部分に3分割したとき,すべての抗体は一様にN末端部分を認識したことから,同一の認識部位をもつことも考えられる。また,これらのγ-tubulinモノクローナル抗体が実際に正常ヒト培養細胞における中心体染色に応用可能であるかについて蛍光免疫法を用いて検討した結果,すべての抗体において期待通りの中心体特異的染色能を確認できた。さらに,ヒトメラノーマ細胞(G-361)やFibrosarcoma(HT-1080)細胞では,中心体に数的異常を示すものが観察された。つづいて,これらの技術をヒト癌組織切片に応用するため,固定・浸透処理や増幅系に改良を加えた超高感度蛍光免疫染色法を開発した。その結果,ヒト大腸癌組織切片における分析が可能となり,現在,癌の悪性化と中心体異常の関係について研究を進めているところである。
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