Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
タバコとアルコールの共依存の頻度の高さ、タバコの離脱症状の強さのために禁煙の困難さなどの脳内での生物学的機序を明らかにするために、研究代表者が確立した腹側被蓋野(VTA)+側座核(NAcb)の初代神経共培養システム(VTAのみ、NAcbのみ、VTA+NAcb)を利用して、PKA-cAMP-CREB-CRE経路に注目し、遺伝子発現の変化を見るために細胞にCRE-luciferaseを含むプラスミドを一時的に発現させてエタノール単独(EtOH)、ニコチン単独(Nic)、エタノール+ニコチン(EtOH+Nic)で刺激した際のluciferase活性の測定、細胞免疫染色法などによる研究を行った。平成19年度は低濃度のEtOH+Nicにおいてのみ、側座核の後シナプス神経細胞に細胞内シグナルの変化や遺伝子発現を誘導し、これが後シナプスドーパミンD2受容体(D2R)、アデノシンA2a受容体(A2aR)両者の働きを必要とする結果を得たことから、アルコールとタバコの共依存という現象メカニズムの一つとしてD2R,A2aRの働きを必要とする可能性を示した。平成20年度はNicの長時間刺激、離脱、再刺激(Nic、EtOH+Nic)によるluciferase活性を検討した。Nic長時間刺激群での活性低下からニコチン受容体(nAChR)の脱感作による神経終末からのドーパミン(DA)放出低下による影響が、Nic前処置群では離脱後のNic再刺激でluciferase活性が上昇したことから慢性Nic投与による細胞内での神経伝達系の慢性的な変化が考えられる。しかし、この慢性的な変化をタンパク質、遺伝子レベルで検討するまでには至っていない。当初計画していた、HPLC-ECD法等を用いた細胞外アデノシン、ドーパミン濃度の測定は十分に検討できなかった。
All 2007
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The journal of pharmacology and experimental therapeutics 322
Pages: 23-29
Journal of pharmacology and experimental therap eutics 322