レンチウイルスベクターを利用した胎盤特異的な遺伝子操作法の開発とその応用
Project/Area Number |
19791147
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Obstetrics and gynecology
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡田 裕香 阪大, 微生物病研究所 (00360264)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥3,720,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | レンチウイルスベクター / 胎盤 / 遺伝子操作動物 |
Research Abstract |
本年度は、マウス個体における胎盤特異的な遺伝子操作技術を確立し、それを応用して胎盤における遺伝子機能の制御を試みるとともに、新規胎盤機能遺伝子の探索に着手した。 まず、レポーター遺伝子としてEGFPを搭載したレンチウイルス(LV)ベクターを用いて検討を行った結果、酸性タイロード処理により透明帯を除去しだ胚盤胞を、カプシドタンパクp24濃度1μg/mlのLVベクター溶液中で4〜5時間培養した後、偽妊娠マウスに移植することで、胚の発生率に影響を与えることなく、100%の効率で胎盤特異的に遺伝子導入できることが明らかとなった。EGFPの発現は胎盤全体に観察され、FISH解析の結果、1細胞あたり平均6.6コピーの遺伝子が導入されていた。 さらに、この技術の応用として、胎盤異常が原因で胎生10.5日目までに致死となるp38α欠損マウスの胚盤胞にp38aを発現するLVベクターを感染させ、胎盤特異的に欠損している遺伝子を補ったところ、胎盤の構造や機能が回復し、胎児の発生が正常にサポートされた。この結果は、胎生致死マウスの生後解析が可能になる事を示しており、個体レベルでの遺伝子機能解析に大きく貢献できると考えられる。さらに、p38α欠損マウスの胎盤にアイソフォームであるp38βの遺伝子を導入した場合にも同様にノックアウト個体が誕生したことから、「胎盤においてp38βはp38αの機能を相補できる」という新しい事実が明らかとなった。 上記とは別に、着床や胎盤形成に重要な役割を果たす新規遺伝子の探索を目的として、TS cellとGiant cellの遺伝子発現をマイクロアレイ解析により比較しており、これまでに、Giant cellで10倍以上高い発現を示す遺伝子を120程度得ている。現在、マイクロアレイ解析を繰り返し、共通して発現上昇が認められる遺伝子の絞り込みを行っているところである。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)