中耳炎遷延化におけるバイオフィルムの役割に関する研究
Project/Area Number |
19791226
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Otorhinolaryngology
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
森山 智美 和歌山県立医大, 医学部 (70423944)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥3,550,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | インフルエンザ菌 / バイオフィルム / 急性中耳炎 |
Research Abstract |
急性中耳炎患児より分離同定されたインフルエンザ菌の臨床分離株を用い,バイオフィルム産生株の検出をおこなうとともに,クリスタルバイオレット染色法によるバイオフィルム形成の定量的評価法を確立し得た。またクリスタルバイオレット染色法では細菌のバイオフィルム産生能の評価は可能であったが,細菌の付着とバイオフィルム産生の相互関係については,検討することが困難であった。そこで96ウェルのピン付きプレートにて細菌培養した後に,ピンに付着する細菌とバイオフィルムについて共焦点レーザー顕微鏡にて画像評価を行うことで,結果クリスタルバイオレット染色法による定量と,共焦点レーザー顕微鏡による画像所見が相関することを示した。次にバイオフィルム形成と急性中耳炎の臨床経過をスコアリング・システムにより評価し,両者の比較検討を行った。結果アモキシシリン治療が奏功しなかった急性中耳炎症例から分離されたインフルエンザ菌では,アモキシシリン治療が奏功した急性中耳炎より分離同定されたインフルエンザ菌に比較して,有意に高いバイオフィルム形成を示された。また分離部位により無莢膜型インフルエンザ菌のバイオフィルム形成能は変化するか,薬剤感受性とバイオフィルム形成能は関連があるかについて検討した。結果インフルエンザ菌の同一株では,中耳貯留液分離株と鼻咽腔分離株でのバイオフィルム形成は同レベルであり,鼻咽腔分離株のバイオフィルム形成は中耳貯留液分離株のバイオフィルム形成を良好に反映すると考えられた。薬剤感受性に関する検討においてはアンピシリン感受性株では,耐性株に比較してバイオフィルム形成株が高頻度に検出されることが示された。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)