Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
目的:ヒト羊膜間葉細胞(hAMC)は神経前駆細胞の性質を有し、in vivoで神経系細胞への分化誘導が可能である。網膜下hAMC移植後に細胞性免疫応答による拒絶が起きることを既に解明したが、更に異種hAMC移植における液性免疫応答を解析し、免疫不全宿主の網膜下でのhAMC長期生着と分化を評価した。方法:インフォームドコンセントのもとでヒト胎盤からhAMCを分離培養し、PKH26で生体染色し、免疫不全マウス(C.B17)と正常マウス(BALB/c)の正常眼網膜下に経強膜的に移植した。正常宿主から経時的に血清を採集し、総IgM、IgGをELISAで定量し、抗ヒトIgM、IgGをFACSで解析した(n=12)。陽性対照はヒトリンパ球で免疫したマウス血清とした。免疫不全宿主眼では移植後6ケ月にわたりPKH26陽性細胞の生着と網膜関連マーかーの発現を共焦点顕微鏡下で解析した(n=5)。結果:hAMC網膜下移植の宿主の血清中の総IgG量は移植後計時的に増加し、抗ヒトIgG値は有意に上昇した。免疫不全宿主の網膜下hAMCは、術後6ケ月にわたり網膜色素上皮層近傍に生着し、Galretinin、GSは陽性となった。結論:正常宿主へのhAMC網膜下異種移植後には液性免疫応答が誘導され、慢性拒絶反応が起きるリスクがある。免疫不全状態の宿主の網膜下でhAMCは長期生着し水平細胞、ミューラー細胞に分化する可能性がある。
All 2008
All Journal Article (1 results)
Experimental Eye Research 86
Pages: 394-402