Research Abstract |
光重合型レジンは,その重合硬化に伴って微細な動きを示すが,これに伴ってスペックルパターンは激しく動き,硬化の進行に伴ってパターンの動きが緩慢になり,やがて停止する。このようなスペックルパターンの変化を検出することによって,ナノセカンド単位で光重合型レジンの重合硬化挙動を検出する測定装置など周辺機器の条件設定とともに重合硬化挙動に関する基礎資料を得ることを目的として本研究を行った。 フィラー含有量ならびに粘性の異なる光重合型レジンを用いて,改良型レーザースペックル装置によって重合硬化途次における重合挙動の観察を行った。なお,光重合型レジンを重合硬化させる際に用いる照射器は,その光強度を200あるいは600mW/cm^2に調整して実験に用いた。次いで,レジンペーストが填塞されたガラスモールドを,試料台に静置した。レーザー光を試料底面および側面中央部の2点に照射し,スペックルパターン検出部とする。さらに照射を行い,スペックルパターンの変化を1/1,000秒単位で検出し,光線照射前の状態におけるスペックルパターンの一致率として算出した。 その結果,重合反応に伴って生じる局所の移動距離および方向は可視光線の光強度に影響されることが判明した。さらに,粘性の低い光重合型レジンのスペックルパターンの変化はこれが低いものと比較して緩序であった。また,光重合型レジンの重合収縮応力は,粘性の低いもので小さくなる傾向を示したものの,体積重合収縮量ではこれが大きい頃が判明した。 以上のように,重合収縮のパラメーターとしてレーザースペックル法を応用することによって,光重合型レジンの重合挙動の一端を解明することが可能であった。
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