Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
口腔感覚が迷走神経を介して消化管運動に関与することが擬似咀嚼(sham feeding)の研究から知られているが、咀嚼に着目して行われた研究は少なくその詳細は不明な点が多い。本研究では咀嚼の方法を変化させることにより、それに伴う口腔感覚の変化が消化吸収に要する時間や消化管機能に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。本研究では、実験1として、咀嚼粉砕程度と咀嚼動作量の相違が胃の電気的活動と胃排出に及ぼす影響を検討した。健常成人男性9名を被験者とし、胃電図と呼気試験法による胃排出速度の同時測定を行った。咀嚼条件は1)精咀嚼2)丸飲み3)10分間のガム咀嚼後、試験食を丸飲みの3条件とした。各条件間で、胃排出への影響は認めなかったが、胃電図正常波の累積パワー値は、精咀嚼に比べ他条件では小さい傾向を示した。また、条件2)では食後90分以降、正常波と比較して徐波の累積パワー値が有意に増加し、咀嚼動作の減少が胃の電気的活動に影響を及ぼすことが観察された。次に実験2において、実験1で観察された咀嚼による胃の運動への影響が咀嚼動作を行う時期によって変化するかどうかを検討した。咀嚼動作は10分間のガム咀嚼のみで与え、胃への食物の流入と咀嚼動作の時期を個別に設定し、4)試験食摂取直前5)試験食摂取終了の30分後6)試験食摂取終了の60分後の3条件とした。その結果、3条件間で胃排出速度、胃電図ともに一定の傾向は認めなかった。今後実験条件等の再検討を行い、さらに発展させていきたいと考えている。
All 2008
All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 4 results) Presentation (3 results)
東北大学歯学会雑誌 27
Pages: 10-15
J. Oral rehabil 35
Pages: 402-407
J.Oral rehabil 35