Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
今回われわれは、顎矯正手術後の患者の知覚変化を従来の知覚検査法、電流知覚閾値(current perception threthold : CPT)、脳磁図(magnetoencephalography : MEG)検査にて検討し、脳内での口腔顎顔面領域の知覚変動認識メカニズムを解明、包括的リハビリテーションの確立を目標とした。顎変形症患者に対し、術前、術後1ヶ月、術後3ヶ月、術後6ヶ月に1. 主観的評価、2. 触覚、3. 二点弁別閾、4. NeurometerによるCPT測定をおこなった。術後、知覚異常の回復傾向をとらえることができた。また主観的評価と客観的評価には相違がみられ、客観的評価の重要性が示唆された。さらに客観的評価法としてMEG検査の導入を試みた。顎変形症患者の術後経過をMEGで解析するにあたり、計測部位と刺激部位が近接することによる問題つまり矯正装置によるノイズ、適切な刺激装置の開発が問題点として挙げられた。異なる材質の矯正装置を装着した健常人ボランテイアによるMEG検査をおこない、ノイズ発生の有無を検討した。また、感覚神経障害における客観的評価として優れたMEG検査の顎顔面領域への導入の試みとして矯正装置のような口腔内に金属装着のない舌神経感覚障害をもつ患者の感覚検査をMEG検査にておこなった。MEG検査は、感覚神経障害の客観的評価方法として有用であることが示唆された。知覚の脳内認知メカニズムは複雑であるが、顎顔面領域におけるMEG検査による客観的評価法の確立は、知覚異常に対するリハビリテーション、治療法の確立に大きく貢献できるものと考えられる。
All 2008 2007
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