Budget Amount *help |
¥3,115,000 (Direct Cost: ¥2,710,000、Indirect Cost: ¥405,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,755,000 (Direct Cost: ¥1,350,000、Indirect Cost: ¥405,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,360,000 (Direct Cost: ¥1,360,000)
|
Research Abstract |
日本発の環境低負荷型技術である「半導体光触媒」は,クリーン燃料資源製造に道を拓く水分解や,環境浄化に貢献する有害有機物質の分解・除去を可能にする.代表的な光触媒材料である二酸化チタンだけにとどまらず,その紫外光応答だけではなく,太陽光や室内灯,すなわち,可視光下で応答する新規な光触媒材料の開発をおこなっていくことを目的として,平成19年度では,結晶内では5価のビスマスから構成される合成した酸化物材料が可視光下で有機色素を分解させることを見いだした.色素溶液の全有機炭素量測定などから,この材料の可視光応答下での色素分解についての知見を得ることができた.また,その材料の電子状態についてバンド計算から,価電子帯では他の多くの酸化物光触媒材料と同様,酸素の2p軌道の寄与が大きいことを見いだした.一方,他の5価のビスマスを含む酸化物光触媒材料であるNaBiO_3とは異なり,ビスマスの6_s軌道が伝導帯に寄与していることがわかった.これにより,それぞれの物質において類似性および異なる点を明確にすることができ,今後の物質開発への一つの指針へとなった.また,光触媒の反応機構を明らかにする上で,光触媒半導体のバルク電子状態に基づいた,光励起したキャリア(電子,ホール)の詳細な情報を輸送測定から明らかにする試みもおこなってきた.二酸化チタンの電気抵抗およびホール効果を,窒素ガスを用いたジュールトムソン型の冷凍機,および改良した測定システムを用いて,80から500ケルビンまでの温度領域でおこない,さらなる測定への目処を付けることができた.
|