Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
遺伝情報を適切に維持するために重要な反応である相同組換えが生体内においてどのようにおこっているかを明らかにすることが目的である。この際、DNAと強固に結合して転写や修復等の諸反応を制御するヒストンタンパク質に注目している。本計画ではヒストンの翻訳後修飾が転写や修復に重要であることをふまえ、ヒストン修飾状態やヒストン修飾酵素と相同組換え反応との関係に焦点を当てる。実験系として、相同組換えが活性化される分裂酵母の減数分裂期細胞を用いている。今年度の成果、進行状況は次の通りである。(1)ヒストン修飾状態の解明既知の組換え頻発部位のヒストン修飾状態を解明するため、各種修飾ヒストンに対する抗体を用いたクロマチン免疫沈降の実験条件を検討した。これに加え、次の実験系を導入した。塩基配列特異的DNA結合モジュールGal4BDの認識配列を染色体中に導入したところ、その周辺で組換えが頻発することがわかった(Gal4BD associated recombination hotspot;G4RHと呼ぶ)。そこでGal4BDをヒストンメチル化酵素Clr4、ヒストン脱アセチル化酵素Clr6に融合させ、それらのヒストン修飾酵素をG4RHに局在させる系を構築した。同部位でのヒストン修飾状態、組換え率を現在検定中である。(2)ヒストン修飾酵素の組換えにおける役割の解明ヒストンメチル化酵素であるClr4、Set2、Set9等の遺伝子破壊体を作製し、それらの減数分裂期での表現型を解析した。その結果、Clr4、Set9については減数分裂の進行に異常が認められることがわかった。現在、この異常と相同組換えの関連について調べている。また、Set2の遺伝子破壊体の表現型を解析している。
All 2008 2007
All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)
Molecular and Cellular Biology in press
Biotechnology & genetic engineering reviews 24
Pages: 179-193