サルエイズウイルスのヒトへの感染伝播を規定する宿主制御因子の解明
Project/Area Number |
19890050
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Virology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武内 寛明 東大, 医科学研究所 (20451867)
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Project Period (FY) |
2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥3,075,000 (Direct Cost: ¥2,670,000、Indirect Cost: ¥405,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,755,000 (Direct Cost: ¥1,350,000、Indirect Cost: ¥405,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,320,000 (Direct Cost: ¥1,320,000)
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Keywords | エイズ / SIV / 宿主因子 / ウイルス学 / 感染免疫学 / Cyclophilin A |
Research Abstract |
本研究では、サルエイズウイルス(SIV)が宿主域を乗り越えて、ヒトへ感染伝播してきた機構を明らかにすることであり、具体的には、以下の項目について研究を進めた。 (1)SIV感染増殖におけるヒト宿主制御因子の解析 本年度は、昨年度に同定したCyclophilin A (CypA)のSIV感染抑制効果を、更に詳細に検討した。具体的には、免疫抑制剤の一種で、CypAと直接結合し、その活性を阻害することが出来る、Cyclosporin A (CsA)を用いて、SIV感染実験を行った。その結果、ある種のヒトT細胞株において、CsA濃度依存的に、ウイルス産生量の増加が認められたが、vif存性のみならずVif非依存性のウイルス産生量の増加も認められた。一方、HIV感染実験では、CsA濃度依存的にウイルス産生量が低下していることが示され、このことは、CypAがHIVにとってウイルス増殖に必須因子であるという、既に報告されている内容と一致していることから、SIV増殖にのみ、抑制的に機能することが判明した。 (2)ヒト細胞におけるSIV複製過程に対するCypAの影響 ウイルス複製過程で生じる様々なウイルスDNAの形状を判別出来るプライマーを用いて、SIV感染後、どの複製段階でCypAが影響を及ぼしているかを、定量DNA-PCR法を用いて解析した結果、ウイルス粒子内に取り込まれたCypAよりも、表的細胞内に存在するCypAが、ウイルスDNA合成効率に大きな影響を与えていることが判明した。 以上の2項目の結果より、CypAは、ウイルス種に対する特異的機能を持つ宿主因子であることが明らかとなり、異種間感染伝播に影響を及ぼすヒト宿主因子として、今後の新興感染症に対して、重要な知見であると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)