Budget Amount *help |
¥3,075,000 (Direct Cost: ¥2,670,000、Indirect Cost: ¥405,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,755,000 (Direct Cost: ¥1,350,000、Indirect Cost: ¥405,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,320,000 (Direct Cost: ¥1,320,000)
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Research Abstract |
飲水および摂食行動は,生命を維持する上で必要不可欠であり,多くの種において,飲水と摂食の間には密接な関係がある。我々は強力な摂食亢進ペプチドであるグレリンの飲水行動への作用に注目し,中枢および末梢に投与したグレリンがラットの飲水を抑制することを見出した(Hashimoto, et. al.2007)。また,低浸透圧によって活性化するイオンチャネルとして報告されたTRPV4のアゴニスト(4α-PDD)をラット脳室内投与すると,高浸透圧環境下における飲水は抑制されなかったが,AII誘導性飲水が抑制することが報告された(Tsushima, et. al.2006)。我々は,グレリンの飲水行動への作用を検討するために,中枢性体液調節機構におけるアンジオテンシンII(AII),グレリンおよび4α-PDDの作用に着目し,AII誘導性およびポリエチレングリコール(PEG)皮下投与による体液減少性の飲水行動において,グレリンおよび4α-PDDの効果を比較検討した。4α-PDD投与によって,AII誘導性の飲水行動は抑制されたが,PEG投与による飲水行動には変化が無かった。一方,グレリン投与では,いずれの飲水行動も著明に抑制された。 我々は,これまでに中枢でのアドレノメデュリン2(AM2)の神経内分泌系および交感神経系への作用を検討してきた(Hashimoto, et. al.2005,2007)。また,AM2を脳室内へ投与すると飲水および摂食が抑制されることが報告されている(Taylor, et. al.2005)。脳内のAM2の局在を調べるために,AM2に特異的な抗体を用いて免疫組織化学的染色法を行った。高張食塩水負荷およびコルヒチン投与ラットの視床下部視索上核,室傍核,延髄孤束核において,AM2の発現が認められた。中枢のAM2は水、電解質バランス調整に重要な役割を持つことが示唆された。この結果は論文として,Autonomtc Neuroscience:Basic and Clinical(2008)に発表した。
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