小学校5年生産業学習における販売領域を扱う有用性とその効果に関する研究
Project/Area Number |
19906010
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教育学・教育社会学
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
新谷 和幸 Hiroshima University, 附属東雲小学校, 小学校教諭
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Project Period (FY) |
2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥320,000 (Direct Cost: ¥320,000)
Fiscal Year 2007: ¥320,000 (Direct Cost: ¥320,000)
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Keywords | 産業学習 / コンビニ / 販売 |
Research Abstract |
1 研究目的 小学校5年生における産業学習としての販売領域の役割を見つめ直し,習得すべき販売における概念的知識を明確にする。そして,どのような学習材や展開が今日の産業や社会を捉える上で効果的なのか,都市と地方の販売の違いなどに着目して実地調査を重ね,具体的な授業モデルを作成・実践することでその有用性を明らかにする。 2 研究方法 第5学年で培うべき内容知・方法知等を整理・分析し,その力を養うのに有効的な学習材としてコンビニ(ローソン)を選んで,多様化する消費者ニーズに対応したコンビニの販売戦略を授業構成・実施するとともに,産業学習として販売を扱う有用性について,ルーブリック評価を用いて考察した。 3 研究成果 (1)消費者の求める価値を付随した新しい店舗形態に焦点を当て,新たな購買層獲得を狙った店舗戦略そのものを販売工夫として位置づけたモデルを示したことで,コンビニの学習材としての可能性を広げた。 (2)「産業活動を行う上で消費者ニーズの観点が重要である」,「様々な社会変化や消費者ニーズによって産業の形態も多様化する」という概念的知識を,産業のまとめでの内容知とした。学習過程で消費者ニーズの多様化に迫った結果,社会状況との関連性を見つける等,児童の社会を見る目を養うことに繋げられた。 (3)単元内に商品や店の特徴をもとに自分の嗜好に沿ったものを選択する活動を取り入れた。児童は消費者として商品を選択・購入する上で必要な能力を高める一方,自らの嗜好や価値観について考え,それらを身につけることの大切さに気づくことができた。 (4)産業学習をまとめる単元として,コンビニの販売を取り上げた。販売は生産者と消費者を繋ぎ,流通や情報と深く関わる産業である。この点は産業における概念的知識の習得や経済の仕組みを捉える上で効果的に働いた。これまで販売の学習は,学習指導要領の関係から我が国の産業学習での実践は殆どない。しかし,今日急速な社会変化に伴う消費者ニーズの多様化によって販売形態も多様化し,コンビニ等小売業はもちろん,販売に関わる様々な業界にも及んでいる。今日の販売を取り巻く社会状況において,産業学習で販売を取り上げることは,我が国の産業を捉え,未来の産業のあり方を考えていく上で有効である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)