Research Abstract |
環境教育における文部科学省の具体的な事業例として,家庭科では環境負荷の少ない生活をめざし,生活意識や生活様式を見直すことを挙げている。次世代の子どもたちが今と同じ地球の恵みを受けられる環境であるよう,すなわち持続可能な社会を考えることは,21世紀の最大の課題であると思われるが,都市はおろか田舎でさえ完壁なエコロジー生活を目指すことは難しくなった今日,今の暮らしの中で無理をせず実現できる方法を考え,実行することが非常に大切であると考える。そこで,環境負荷の少ない生活をめざし,家庭科食領域で,ロハス(Lifestyles Of Health And Sustainability)つまり健康で持続可能な暮らし方を考え,「ソバ」をロハス料理の一食品として紹介した後,様々なロハスフードを使用してロハス料理レシピの作成を行う授業を構築・実践した。 まず,ロハスフードとしてのソバを生徒に紹介する資料の充実を図るため,3年に1度開催の「第10回国際ソバシンポジウム2007」(中国楊凌)に参加し,ソバの最新の国際的動向を知った。また,生徒とともに,広島県北の農家での無農薬野菜栽培(オクラやごぼう)体験や,島の農家でのかんきつ類収穫(みかん)体験を行うことにより,植物の栽培や収穫の難しさと楽しさを体験的に学んだ。これらの体験や資料をもとに,簡単に栽培できるソバをはじめとしたスプラウトにも注目し,班毎にロハス料理レシピを作成後,調理実習を行った。ソバスプラウトやブロッコリースプラウトは家庭でも栽培を行うことで,植物に親しむ一助とした。 一連の授業実践に生徒は非常に熱心に取り組み,スプラウトを中心にしたロハス料理レシピを作成することができた。また,ソバやスプラウトを日常生活の中に取り入れながら,健康で持続可能な暮らし方を考えようとする姿勢が見られるようになった。
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