○研究目的 北部九州の自動車産業で年間150万台生産の目標が福岡県で掲げられている。この状況のもとで、CADのカリキュラムをもっと増やし、工業高校でのものづくり教育の内容を変えていくことが喫緊の課題になっている。そこで、社会からの3次元CADの技術技能を持った人材育成の要請に対応することと中学生に魅力ある電気科にすることを目的として、3次元CAD(Solid Works)を導入し、実習、課題研究などに取り入れ、教育内容を改善することを今回の研究目的とした。 ○研究方法 本校電気科に、平成18年4月、3次元CAD(Solid Works)のコンピュータシステムが既に導入されており、41台(先生用1台、生徒用40台)の構成である。さらに、3次元CADでデザインした3Dデータをモデリングマシンに送って、その場で試作品を加工する環境を構築するため、あと1台のコンピュータと机上で加工できるマシン(Roland 3D Plotter MDX-20)を導入した。3次元CADおよび3Dプロッターの研修のため、平成19年8月10日にSolid Worksの研修、8月21日、22日に静岡文化芸術大学でのデザインセミナーの研修会に参加した。また、福岡県教育センターと連携して、学校でつくった3DデータをセンターにSTLデータにして送り、センターにある3Dプリンターで加工することも試みた。 ○研究成果 これまでの2次元CAD実習では、第三角法で描いた図面を見て立体図形を認識理解することが、困難な生徒が多かった。しかし、3次元CADで示してやれば、生徒は容易に立体図形を把握するようになった。また、センターで加工した試作品を示すことで、一層図形の理解を深めることができた。また、課題研究では、水車の部品を作成し、小型水力発電機の製作に有益であった。今後、e-learningソフトで3DCADの例題を作成し、3次元CADの教育環境の充実を図っていきたい。
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