Project/Area Number |
19922017
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
農学・水産学
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
細田 孝春 Tohoku University, 大学院・農学研究科, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥750,000 (Direct Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2007: ¥750,000 (Direct Cost: ¥750,000)
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Keywords | 閉鎖型海水循環式飼育システム / エゾアワビ養殖 / カキ殻 |
Research Abstract |
研究目的:中山間地、都市部あるいは宇宙においてエゾアワビを養殖するためには海水かけ流し方式ではなく、閉鎖型循環養殖システムの開発が望まれる。本研究はエゾアワビを対象に、マイクロバブル、カキ殻、分解微生物付着セラミック、活性炭を組み合わせた複合浄化システムによる「エゾアワビ多段式海水循環型飼育システム」を開発することを目的とした。 材料と方法:飼育実験に用いたエゾアワビは放流用種苗の1年貝である。飼育実験システムとして(1)二段式一次海水かけ流し飼育システム(3組6水槽)と(2)二段式閉鎖型海水循環式飼育システム(3組6水槽)を設置した。尚、3組の水槽はそれぞれ流水量を毎分0.8L、2.0L、4Lとした。実験期間は第一期(高温期:平成19年9月19日〜10月19日、水温17.9〜23.9度)および第二期(低温期:平成20年1月18日〜2月19日、水温6.8〜8.0度)の各30日間である。飼育中は市販のエゾアワビ用餌料を与えた。計測項目は、水質として亜硝酸態窒素、硝酸態窒素、アンモニア態窒素、ケイ酸態ケイ素、リン酸態リン、水温、塩分濃度、溶存酸素量、pH、流水量、成長形質として殻長および全重量を計測した。 研究成果:第一期(高温期)における実験の結果、循環式システムにおいて亜硝酸態窒素および硝酸態窒素量がかけ流し式に比べて10倍量多くなった。また、成長はかけ流し式が平均2.2g、3.7mmであったのに対し、循環式では1.4g、2.7mmであった。このことから、亜硝酸態窒素および硝酸態窒素濃度の低減のために、活性炭濾過槽に牡蠣殻を加え、爆気した。その結果、それらはかけ流し式と差異がなくなった。そこで第二期(低温期)における比較実験を行ったところ、飼育海水環境は両者に差異はなく、かけ流し式では平均殻長0.8mm、平均全重量1.9g、循環式では平均殻長0.9mm、平均全重量1.4gとなった。以上の結果から、本研究で開発した閉鎖型循環式システムでは一次海水かけ流し式システムと同様にエゾアワビの飼育が可能であることが示された。
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