溶鉄-溶融スラグ間の界面張力に及ぼす化学反応の影響に関する機構解明
Project/Area Number |
19F17766
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Metal making/Resorce production engineering
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 敏宏 大阪大学, 工学研究科, 教授 (10179773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NI PEIYUAN 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2020-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2019)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 界面張力 / 熱力学 / 反応速度論 / 吸着 |
Outline of Research at the Start |
高清浄鋼を連続鋳造する場合に、溶鋼の上に溶融スラグを静置して鋼を鋳造するが、溶鋼‐溶融スラグ間の界面が乱れると、スラグの小滴が溶鋼に巻き込まれ、介在物等の鋼の欠陥になる。そのため、平滑な界面を維持するために溶鋼‐溶融スラグ間の界面張力を高く設定するように溶融スラグの組成が設計されている。しかしながら、溶鋼‐溶融スラグ間に化学反応が生じる際には、界面張力が低下することが古くから報告されているが、界面張力の化学反応による動的変化の機構は未だ詳細は不明である。本研究では、上記現象の機構解明のために、主として酸素の界面への過剰吸着に着目し、界面張力の低下を説明できる定量モデルの導出を試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
溶鋼‐溶融スラグ間の界面張力が化学反応中に低下する現象に対して、酸素の界面への吸着・脱離の影響を解明するために、溶鋼表面上に、溶融スラグ滴を滴下させた後の、両者の接触角の変化から、界面張力の動的変化に関する情報を実験的に求め、界面張力の動的変化に及ぼす化学反応の影響に関する実験結果を系統的に蓄積した。特に、溶融スラグ中のB2O3濃度を変化させて、さらに溶融スラグの塩基度ならびにそれに伴う粘度を変化させ、化学反応中に溶鋼‐溶融スラグ間の界面張力が動的に変化する様子を精度よく計測した。溶融スラグ中の主としてSiO2が解離して、SiとOが溶鋼‐溶融スラグ界面を溶融スラグ側から溶鋼側に向けて移行する際に、Oだけは界面に一時的に吸着停滞し、その後、徐々に脱離、または溶鋼中のSiよりも酸化性の強いAlやTiと反応して、酸素の界面濃度が低下し、化学反応が生じている際の一時的な界面張力の低下現象を定量的に説明できるモデルを導出した。また、従来からバルク相を対象として多成分系溶融スラグ・溶融鉄合金の化学反応を扱う競合反応モデルを上記の界面張力のモデルと連結し、多成分系溶融スラグと多成分系溶鋼が反応する際の、種々の成分が時間的にそれぞれの相において変化する様子を再現できるとともに、同時に、化学反応が生じている間の溶融スラグ―溶鋼間の界面張力の変化も計算できる物理化学モデルを完成することができた。さらに、各種パラメータを変化させた際の化学反応時の溶鋼‐溶融スラグ間の界面張力が変化する様子を再現できる計算を行った。また、世界的規模で活用されている熱力学データベースとリンクさせ、上記で導出した計算モデルならびに計算プログラムと連結させ、溶鋼‐溶融スラグが反応する際の両相中の成分変化を計算するとともに、その際の界面張力の動的変化も同時に推算できるシステム環境を整えた。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)