Outline of Final Research Achievements |
本研究では, 数学科で育成されるべき考え方・思考法という視点で数学の授業を再考し, それに準ずる授業開発を行うことを目的とする。そこで, 数学的感覚に着目し, 中高生がどのような数学的感覚を持ち, 学習内容に対してどのように捉えているかを調査することで授業開発への示唆を与えることをねらい研究を進めた。その結果, 日常の経験から来る感覚が数学の授業における感覚に影響すること, 高等学校の生徒にとって, 中学校における数学との違いの感じ方が個々人で大きく異なることが明らかになった。
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Academic Significance and Societal Importance of the Research Achievements |
平林(2004)が「受験対策への偏向が, 数学教育を無思想なものにしてしまった」と指摘するように, 受験を最大の目的とした授業がなされがちである。その指摘に対して, 本研究では数学的感覚に着目することで数学の独自性を考慮しながら, 中高生の数学, 数学の授業に対する意識や困難点を明らかにすることができた。得られた新たな課題が今日的な数学の授業で身につけさせるべきことや, あるべき姿へのヒントになると考える。
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