Project/Area Number |
19H00318
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
3110:Agricultural chemistry, agricultural and environmental biology, forestry and forest products science, applied aquatic science, agricultural economics and rural sociology, agricultural engineering, veterinary medical science, animal science, and related fields
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Research Institution | 兵庫県警察本部刑事科学捜査研究所 |
Principal Investigator |
加藤 優子 兵庫県警察本部刑事科学捜査研究所, 一般職員
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Project Period (FY) |
2019
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2019)
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Budget Amount *help |
¥540,000 (Direct Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2019: ¥540,000 (Direct Cost: ¥540,000)
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Keywords | イヌ唾液 / 咬傷 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、しばしばペットによる咬傷トラブルが話題になることがあるが、所属している科学捜査研究所でも例外ではなく、相談を受けることがある。しかし、客観的に咬傷の事実を証明するには、現在では咬傷痕と被疑動物の歯型の形態学的な比較が主であるが、咬傷痕が付く皮膚や衣服は変形性に富み、比較は難しい。また、発生件数が多いイヌは、唾液中のアミラーゼ活性が非常に低いため、咬傷部位に残る唾液のアミラーゼを指標とする検査が適用できず、咬傷痕の不鮮明な咬傷を科学的に証明することも困難であった。近年、咬傷部位のイヌの唾液をmRNAマーカーによる分子生物学的検査で検出する方法が報告されたが、科捜研の鑑定実務(資料からDNAを抽出しDNA型検査を行う)の流れを考慮すると、別にmRNAを抽出・逆転写反応してリアルタイムPCRで解析する系は、貴重な資料を追加消費する上、方法がやや煩雑で試薬・解析機器の維持もコストがかかる課題がある。そこで、実務に適用可能な分子生物学的な咬傷解析法の開発を目指し、資料からDNAとRNAを共抽出し、イヌの唾液を既報のイヌ唾液特異的mRNAマーカーを利用して、高額な解析機器を必要としないDNAクロマトグラフィーを用いた簡便な検査系を確立することを目的として本研究を計画した。本研究により、これまで解析が困難であった咬傷痕の不鮮明なイヌによる咬傷事例に対し、科捜研の実務レベルで適用可能な有効な咬傷解析法を提供することが可能となる。方法としては、【1】イヌ試料(唾液、対照として尿・皮膚片)の収集、【2】試料からのDNA・RNAの抽出、【3】cDNAの合成、【4】安価なendpoint PCRで標的cDNAを増幅、併せてリアルタイムPCRによりmRNAマーカーの発現量の確認やイヌDNAの定量等、【5】DNAクロマトグラフィーによる検出、を予定していた。都合により、【1】までしか達成できなかったが、収集した資料及び試薬は、今後、本研究の続きにおいて無駄なく使用予定である。
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