Project/Area Number |
19H00573
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 5:Law and related fields
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
吉田 克己 早稲田大学, 法学学術院(法務研究科・法務教育研究センター), その他(招聘研究員) (20013021)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小柳 春一郎 獨協大学, 法学部, 教授 (00153685)
片山 直也 慶應義塾大学, 法務研究科(三田), 教授 (00202010)
吉井 啓子 明治大学, 法学部, 専任教授 (00306903)
水津 太郎 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (00433730)
山城 一真 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (00453986)
武川 幸嗣 慶應義塾大学, 法学部(三田), 教授 (10275018)
秋山 靖浩 早稲田大学, 法学学術院(法務研究科・法務教育研究センター), 教授 (10298094)
阿部 裕介 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 准教授 (20507800)
麻生 典 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (20708416)
青木 則幸 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (30350416)
根本 尚徳 北海道大学, 法学研究科, 教授 (30386528)
松尾 弘 慶應義塾大学, 法務研究科(三田), 教授 (50229431)
高 秀成 大阪大学, 大学院法学研究科, 准教授 (50598711)
石尾 智久 金沢大学, 法学系, 講師 (50849239)
田高 寛貴 慶應義塾大学, 法学部(三田), 教授 (60286911)
原 恵美 中央大学, 法務研究科, 教授 (60452801)
森田 宏樹 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (70174430)
平野 裕之 日本大学, 法務研究科, 教授 (80208842)
金子 敬明 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (80292811)
金山 直樹 慶應義塾大学, 法務研究科(三田), 名誉教授 (90211169)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥45,110,000 (Direct Cost: ¥34,700,000、Indirect Cost: ¥10,410,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2022: ¥8,840,000 (Direct Cost: ¥6,800,000、Indirect Cost: ¥2,040,000)
Fiscal Year 2021: ¥7,410,000 (Direct Cost: ¥5,700,000、Indirect Cost: ¥1,710,000)
Fiscal Year 2020: ¥11,960,000 (Direct Cost: ¥9,200,000、Indirect Cost: ¥2,760,000)
Fiscal Year 2019: ¥11,830,000 (Direct Cost: ¥9,100,000、Indirect Cost: ¥2,730,000)
|
Keywords | 人の法 / 財の法 / 相続法 / 高齢者 / 負財 / 人格権 / 成年後見 / 地域コミュニティ / 高齢社会 / 人口減少社会 |
Outline of Research at the Start |
高齢社会と人口減少社会の到来に対して、法の現実的・理論的対応が求められている。高齢社会は、高齢者という具体的カテゴリーの人間を法が把握することを要求する。人口減少社会は、財産の負財化現象を顕在化させ、法が財をその具体的様相において把握することを要請する。本研究は、人も物も抽象的に把握することを特徴とする伝統的な民法のパラダイムを克服し、「財の法」「人の法」を構築することによって、これらの要請に応えることを目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
1 研究期間の4年目である2022度は、第2巡の研究会を継続し、「財の法」ユニットが担当する4回の研究会を実施した。具体的には、「財」班による著作者人格権の相続(麻生)、インターネット上の誹謗中傷(森田)、所有者不明土地班による相続土地国庫帰属法(小柳)、物権的返還請求権(根本)、所有者不明土地・建物管理制度(水津)、資産班による個人資産と事業用資産の分離(片山)、メタバース(麻生)、担保班による事業承継と担保制度(青木)、フランス法の任意滌除制度(阿部)、動産債権担保(片山)である。 2 2022年度私法学会シンポジウム「高齢者と私法」に向けて、その準備研究会を2回(前年度と合わせて計4回)実施するとともに、リハーサルを1回実施し、学会シンポジウムに臨んだ。この学会シンポジウムは、私法学会として初めて高齢者法に取り組み、刺激的な理論的考察を行ったものとして、高い評価を受けた。 3 外国人研究者については、アメリカ合衆国のガラニス教授(アイオワ大学)、ドイツのホフマン教授(エアランゲン=ニュルンベルク大学)を招聘して各2回の研究会・講演会を実施し(すべて対面)、高齢者法、信託法(ガラニス教授)、差止請求権、デジタル・プラットフォーム事業者による人格権侵害(ホフマン教授)について有益な検討を行うことができた。なお、ガラニス教授の高齢者法講演は、武蔵野大学の企画するシンポジウム「高齢者法のカリキュラムと実務家教員の活躍の可能性」との共催で実施された。モラン教授(ケベック)の来日は、先方の事情で中止になった。比較法関係では、これらのほか、フランス人研究者4名を招聘しての日仏担保法セミナーを、他の科研との共催で実施した。 4 外部研究者を招聘した研究会を1回開催した。千葉大学の白石友行教授による民事責任法と家族に関する研究会である。もう1人の招聘は、来年度に延期になった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1 研究分担者による報告を行う定例研究会は、第2巡目の報告をほぼ終えることができた。こここでは、各研究分担者がテーマについての理論仮説を提示することを重視し、成果の論文執筆に向けての準備を相当程度することができた。他方で、2冊を予定する成果本の編集構想についても検討を進め、現時点での原案をほぼ決定することができた。今後は、これを執筆予定者にフィードバックして、構成案を確定するつもりである。 2 「人の法」に関しては、私法学会シンポジウムを軸として、高齢者法に集中的に取り組んだ。その中で、単数大文字の高齢者法ではなく複数の小文字の高齢者法を(私法学会における吉田総論報告)、さらには、高齢者法という概念自体が可能か(私法学会における議論、ガラニス講演)という問題意識が明瞭に現れてきている。高齢者法に関する新しい理論枠組みの提示が期待される。 3 「財の法」に関しては、研究分担者による定例研究会報告において、各論的検討が進められている。この間の立法動向の検討が中心であるが、その中で、人口減少社会の下での負財対応の法制度の多様な展開のあり方が解明されつつある。 4 比較法を中心に、救済に関する検討も進んでいる。ホフマン教授による差止請求権の基礎理論およびデジタル・プラットフォーム事業者による人格権侵害に関する講演は、この点で貴重であった。これを受ける形で、研究分担者による人格権概念を深化させる研究も進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
1 研究計画は、ほぼ順調に推移しており、研究計画に関する変更を行う必要はない。コロナ対策が緩和されたことを踏まえて対面方式での研究会を適宜取り入れつつ、最終年度におけるまとめの研究活動を着実に実施する。 2 2023年度は、まず、2023年4月および5月に「相続法」ユニットの2回の研究会を開催し、これで2巡目の研究会を終える。6月から来年1月にかけては、7回の研究会を開催し(8月は休会)、成果本への原稿執筆を踏まえた第3巡目の研究会を開催する。1回について原則3人の報告者を予定し、分担者全員の報告を行う予定である。また、本年度は、比較法学会(6月)においてミニシンポジウム「高齢社会における人・財の法」を担当する。アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、ケベックを対象とする比較研究を行う。そのためにリハーサルの研究会を1回予定する(4月)。また、外部研究者を招聘しての研究会を1回開催する(6月。東京大学・齋藤哲志教授)。 3 以上の研究会活動と並行して、成果公表のための研究分担者個人の原稿執筆活動を進める。各自の論文テーマ、また成果公表の出版社は、すでに決定されている。成果本の構成は、原案は確定しており、今後、執筆予定者とのフィードバックを通じてそれを確定する。原稿執筆は、本年度中に完了する予定であるが、成果の出版自体は、本科研の研究期間終了後になる。
|