Project/Area Number |
19H00574
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 5:Law and related fields
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
土田 和博 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (60163820)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若林 亜理砂 駒澤大学, 法曹養成研究科, 教授 (00298069)
武田 邦宣 大阪大学, 大学院法学研究科, 教授 (00305674)
深町 晋也 立教大学, 法学部, 教授 (00335572)
長谷河 亜希子 弘前大学, 人文社会科学部, 准教授 (00431429)
大木 正俊 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (00434225)
越知 保見 明治大学, 法務研究科, 専任教授 (00554049)
渡辺 徹也 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (10273393)
洪 淳康 金沢大学, 法学系, 教授 (10554462)
伊永 大輔 東北大学, 法学研究科, 教授 (10610537)
中里 浩 東京経済大学, 現代法学部, 教授 (10965487)
吉田 克己 早稲田大学, 法学学術院(法務研究科・法務教育研究センター), その他(招聘研究員) (20013021)
林 秀弥 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (30364037)
小向 太郎 中央大学, 国際情報学部, 教授 (30780316)
小田切 宏之 一橋大学, その他部局等, 名誉教授 (40114053)
舟田 正之 立教大学, 名誉教授, 名誉教授 (60062676)
中島 徹 早稲田大学, 法学学術院(法務研究科・法務教育研究センター), 教授 (60366979)
青柳 由香 法政大学, 法学部, 教授 (60548155)
清水 章雄 早稲田大学, 法学学術院(法務研究科・法務教育研究センター), 名誉教授 (70142784)
東條 吉純 立教大学, 法学部, 教授 (70277739)
石田 眞 早稲田大学, 法学学術院(法務研究科・法務教育研究センター), 名誉教授 (80114370)
須網 隆夫 早稲田大学, 法学学術院(法務研究科・法務教育研究センター), 教授 (80262418)
早川 雄一郎 立教大学, 法学部, 准教授 (80737221)
柴田 潤子 香川大学, 法学部, 教授 (90294743)
渡邉 昭成 国士舘大学, 法学部, 教授 (90329061)
金井 貴嗣 中央大学, 法務研究科, 教授 (50102877)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥39,650,000 (Direct Cost: ¥30,500,000、Indirect Cost: ¥9,150,000)
Fiscal Year 2023: ¥9,880,000 (Direct Cost: ¥7,600,000、Indirect Cost: ¥2,280,000)
Fiscal Year 2022: ¥6,110,000 (Direct Cost: ¥4,700,000、Indirect Cost: ¥1,410,000)
Fiscal Year 2021: ¥6,110,000 (Direct Cost: ¥4,700,000、Indirect Cost: ¥1,410,000)
Fiscal Year 2020: ¥7,410,000 (Direct Cost: ¥5,700,000、Indirect Cost: ¥1,710,000)
Fiscal Year 2019: ¥10,140,000 (Direct Cost: ¥7,800,000、Indirect Cost: ¥2,340,000)
|
Keywords | デジタルプラットフォーム / 競争法 / 独占禁止法 / 個人情報保護法 / デジタルエコシステム / デジタル市場 / デジタルガバナンス / 域外適用 / データの越境移転 / アルゴリズム / フリーランス / プラットフォームワーカー / 労働法 / プライバシー / データ / AI / 個人情報 |
Outline of Research at the Start |
インターネットやAIを中心とする技術革新は、現代社会に多大の利便性をもたらし、明るい未来を切り拓くように思われるが、同時に多くの深刻な問題をも投げかけている。優れた技術革新の芽を摘むことなく、裏腹の弊害にどのように対処すればよいのか。イノベーションのインセンティブを失わせる過剰規制と必要な場合に適切な措置を行わない過小規制を共に排して、妥当な法規制・規律を行うにはどうすればよいのか。本研究は、こうした課題について、経済法、民法、刑法、憲法、情報法、労働法、国際経済法、EU法の各領域からアプローチし、これを総合しようという研究である。
|
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度に次のような研究会を開催した。 ①4月25日:越知保見「デジタル経済における市場法秩序と取引の自由・公正な競争」、②5月21日:横溝大(名古屋大学)「ブロックチェーンと抵触法」、矢上浄子(弁護士)「セールスフォース・スラック結合事例」、③6月3日:河野琢次郎(内閣官房)「モバイルエコシステムに関する競争評価・中間報告等について」、④6月11日:須網隆夫「グローバル化と国家主権」、⑤7月16日:千葉惠美子(大阪大学)「デジタルビジネスからみたEUデジタル政策の動向」、⑥9月24日:土田和博「デジタルプラットフォームが競争法に投げかけたものと問題への対応」、小向太郎「プラットフォームと媒介者責任」、⑦10月15日:伊永大輔「デジタル広告とメディアの競争政策上の課題について」、舟田正之「デジタルプラットフォームとマスメディア」、⑧11月26日:中島徹「憲法と公正取引」、⑨12月19日:Giorgi Monti(Tilburg大学)「Maximizing the Impact of the Digital Markets Act」、⑩12月24日:伊永大輔「EUにおけるデジタル市場法」、⑪1月28日:岡田外司博(早稲田大学)「Slovak Telekom事件のECJ判決に関する覚書」、寺西直子(公取委)「デジタルプラットフォームに関する報告書、法執行、立法の概観」、⑫2月25日:若林亜理砂「米国におけるBig Tech規制について」、五十嵐俊子(公取委)「市場集中をめぐる議論の展開:デジタル分野との交錯」、⑬ 3月11日:長谷河亜希子「プラットフォーム労働とフリーランス法案』」、中里浩「独占禁止法と労働法の交錯に関する理論的基礎」、⑭3月25日:越知保見「デジタル経済が突きつけた日本の競争法理論の本質的問題」、東條吉純「DFFTを巡る国際ルール設計の諸相」。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、(1)独占禁止法、個人情報保護法、電気通信事業法等の域外適用、データの越境移転に対する規律を検討し、(2)研究成果取りまとめのための研究会を実施する計画であった。 (1)に関しては、個情法166条は「個人情報取扱事業者…が、国内にある者に対する物品又は役務の提供に関連して、国内にある者を本人とする個人情報…を、外国において取り扱う場合についても、適用する」としている(2020年改正)。本条はEUの一般データ保護規則に倣って、いわゆる標的理論(target theory)によったものと考えられるが、これが国際法上どのように評価されるかを検討する計画であった。また域外適用に関する規定のない電気通信事業法は、国外に電気通信設備(サーバー等)を設置する者が、国内に拠点を置いて当該設備を支配・管理する場合には、その規律が及ぶが、国外に設備を設置し、国内で当該設備について何ら支配・管理していない場合には、国内向けの事業を行っている場合でも、電気通信事業法の規律は及ばないと政府は解しているとされ、この解釈の妥当性等についても検討する計画であった。 (1)に関連する報告は上記の②、③、⑭であり、一定程度の研究を行うことはできたが、以下に述べるような事情により、(1)は一時中断し、不十分な部分を2023年度後半に持ち越すこととした。 (2)に関しては、2023年度に予定している共同研究の成果の取り纏めと公表、特に研究書への執筆者が増える可能性が高く、予定原稿の検討のための研究会を2023年度だけで実施することは困難なため、2022年度後半から、その検討のための研究会を開催した。上記の⑥から⑭が研究成果として公表する予定の書籍出版に向けた報告である。 以上のように、一部計画を変更したものの、全体として研究計画は順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後、本研究は、中断している(1)を2023年度後半に再開するとともに、(2)研究書原稿執筆のための研究会を継続して行うこととしたい。 (1)再開後の検討課題としては、次のようなものが考えられる。競争法の域外適用の管轄権原理として、現在、多少とも領域・属地に関連づけられた効果主義や実施主義を採用する法域が多い。他方、インターネットを通じた取引や行為は、本来的に「超属地(over-territoriality)」的である。このギャップが生み出す問題は、具体的事件では争点化していないが、インターネットやAIが関係する反競争的行為を検討する本研究においては、外国に所在するデジタルプラットフォーム運営事業者に対する競争法の管轄権原理の問題は避けて通れないものである。個情法についてもさらに検討を続けたい。また電気通信事業法16条1項2号は、外国法人等に対して、国内の代表者、代理人の指定を求めて、同法の執行を行う場合の対象を国内に確保して、執行管轄権上の問題に対応したものと考えられる。データの越境移転についても、個人情報保護法やGDPRなどを対象としてさらに比較検討を行う必要がある。 (2)については、吉田克己「ビッグデータの法的分析」、柴田潤子「デジタルプラットフォーム規制における独占禁止法の意義:一方的行為を中心に欧州の議論を手がかりにして」、武田邦宣「アプリ配信市場の競争法問題」、青柳由香「自己優遇」、瀬領真悟「AIと共同行為-独仏報告書を中心に」、林秀弥「プラットフォームと企業結合規制」、渡辺昭成「イギリスにおけるプラットフォーム規制-新法による規制を中心に」、洪「韓国におけるプラットフォーム規制と日本への示唆」、渡辺徹也「経済のデジタル化に対応する国際課税原則の変更-OECDにおける野心的な取り組みとその成果」などが残っており、2023年度前半に研究会を実施することとした。
|