Project/Area Number |
19H00619
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 9:Education and related fields
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Research Institution | Takamatsu University (2020-2023) Osaka University (2019) |
Principal Investigator |
松繁 寿和 高松大学, 経営学部, 教授 (50219424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
家島 明彦 大阪大学, キャリアセンター, 准教授 (00548357)
大谷 碧 大阪大学, 大学院国際公共政策研究科, 招へい研究員 (00823949)
川嶋 太津夫 大阪大学, スチューデント・ライフサイクルサポートセンター, 特任教授(常勤) (20177679)
白井 詩沙香 大阪大学, サイバーメディアセンター, 講師 (30757430)
堀 一成 大阪大学, 全学教育推進機構, 教授 (80270346)
山下 仁司 大阪大学, スチューデント・ライフサイクルサポートセンター, 教授 (90786526)
井川 静恵 大阪学院大学, 経済学部, 教授 (20461858)
飯田 星良 追手門学院大学, 地域創造学部, 講師 (30846316)
岡嶋 裕子 京都先端科学大学, 経済経営学部, 准教授 (50761649)
勇上 和史 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (90457036)
妹尾 渉 国立教育政策研究所, 教育政策・評価研究部, 総括研究官 (00406589)
平尾 智隆 摂南大学, 経済学部, 准教授 (30403851)
VU MANHTIEN (ヴ マン・ティエン) 中央大学, 国際経営学部, 准教授 (80734045)
山田 礼子 同志社大学, 社会学部, 教授 (90288986)
安部 有紀子 (小貫) 名古屋大学, 教育基盤連携本部, 准教授 (30553416)
樊 怡舟 広島大学, 高等教育研究開発センター, 特任学術研究員 (10971004)
村澤 昌崇 広島大学, 高等教育研究開発センター, 准教授 (00284224)
中尾 走 広島市立大学, 企画室, 特任助教 (80965434)
梅崎 修 法政大学, キャリアデザイン学部, 教授 (90366831)
柿澤 寿信 立命館大学, 共通教育推進機構, 准教授 (70735315)
和嶋 雄一郎 名古屋大学, 教育基盤連携本部, 特任准教授 (20572093)
森 朋子 桐蔭横浜大学, 教育研究開発機構, 教授 (50397767)
ALBERTINE SUSAN 大阪大学, 高等教育・入試研究開発センター, 特任教授(常勤) (30808580)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥44,200,000 (Direct Cost: ¥34,000,000、Indirect Cost: ¥10,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥10,010,000 (Direct Cost: ¥7,700,000、Indirect Cost: ¥2,310,000)
Fiscal Year 2022: ¥12,480,000 (Direct Cost: ¥9,600,000、Indirect Cost: ¥2,880,000)
Fiscal Year 2021: ¥9,360,000 (Direct Cost: ¥7,200,000、Indirect Cost: ¥2,160,000)
Fiscal Year 2020: ¥7,020,000 (Direct Cost: ¥5,400,000、Indirect Cost: ¥1,620,000)
Fiscal Year 2019: ¥5,330,000 (Direct Cost: ¥4,100,000、Indirect Cost: ¥1,230,000)
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Keywords | 社会的能力 / 非認知能力 / 学習成果の測定 / 学業成績 / パネルデータ / コンピテンシー / 教育学 / 社会能力 / 成績 |
Outline of Research at the Start |
非認知能力やコンピテンシーと呼ばれる社会的能力の長期的影響力を探ることを目的とする。まず、それが小中義務教育期間、高等学校、大学という各学校段階で育成され成績等に影響を及ぼすメカニズムをできるだけ精度の高いデータを収集し分析する。次に、それらの結果を繋ぎ社会的能力が学校段階を跨いで影響を及ぼしていること、さらに社会に出てからの就業にも影響していることを検証する。このため、各教育段階において、個別の生徒・学生を入学当初から卒業まで追跡調査したパネルデータを独自に構築する。また、推定は複雑な構造となるために、すでに応用が進んだ統計手法だけでなくAIを応用した分析も試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、COVID-19の流行による計画の変更により2021年度から遅れて開始することになった生徒・学生を対象とした対面による調査・測定の第2ウェーブの実施が主な作業となった。ただし、2021年度に実施された調査に関しては、データ・クリーニングを終了したものから基本的な分析に着手した。また、予定の変更や状況の変化により予定した調査が困難となる対象校との調整が行われた。 義務教育に関しては、すでに小学校6年間及び中学校3年間のパネルデータが入手されているケースにおいて、社会的能力の成長を観察するとともに、それが学業成績に与える影響を分析した。また、学業成績から社会的能力への逆の因果効果を考慮した分析も開始した。さらに、これまで分析があまり行われなかった非主要科目、音楽、美術等と体育、における成果と社会的能力の関係を分析した。いくつかは学会等で報告され、ディスカッションペーパーとして公表されている。また、関連するテーマに関しても学会報告や論文による公表が進められた。 高校に関しては、新たに協力が得られることとなった2校での調査を開始した。課題解決型学習の成果を測定するという新たなテーマを設定し、特に入試の段階から探究学習を重視するコースを設けている高校においては、2年間の変化に限られるがコース間の比較分析を行った。さらに、課外活動や学校外学習などに関する情報に加え、入学前の経験等に関する情報を対象とした分析も開始した。 大学に関しては、社会人基礎力を測定している企業と連絡を取り、測定ツールの使用と結果の分析に関する協力を得る調査を推進している。1大学においては継続して、入学時調査、入学後の学修状況、最終年度の卒業時調査を紐付けた追跡を行った。新たな調査対象となった他の2校についても、各大学において学内的な調整を進め、調査が可能となった大学において調査を開始している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の主な特徴は、主に年度の初めに生徒の非認知能力や認知能力の測定を行い、小中高大学それぞれの教育期間を通じで彼らの成長を追跡したパネルデータを作成することにある。したがって、何らかの理由により開始が遅れると、データの完成がずれ込み調査の進捗が回復されることはない。2020年1月からのCOVID-19の感染拡大により、種々の理由により調査を延期したり断念せざるを得ないケースが発生し、新たな調査対象の開拓の必要性も発生した。特に、過去を遡ったデータが入手できない高校や大学においては学年進行で行う追跡調査は遅れざるを得なくなった。 高校に関しては、ある県の教育委員会からの協力が得られなくなり、それまで進めてきた分析の成果を発表することも不可能となった。このため、調査としては2年間の遅れが生じることになった。ただし、本研究の研究と同様の問題意識を持っている高校の協力を得られることになり、2022年度から本格的な調査を進めることとなった。特にある高校においては、生徒の活動や属性をかなり詳細に把握することも可能となり、これまで他の研究では用いられなかった変数を盛り込んだ調査を開始した。また、年度の終わりには社会的能力や勉学への取り組み意識について基礎的な分析を行うことができた。 大学に関しては、運営体制の変更から学生データへのアクセスが一部困難となった大学については、研究方針を変更し、主にクロスセクションによる年度別の比較を中心に分析を進めることとなった。また、不完全ではあるが、4年間追跡できる可能性があるサブグループも存在するために調査を継続することとなった。一方、新たに2大学にアプローチし、2022年度入学生から社会的能力の測定を開始し、パネルデータの構築を新たに開始した。ただし、これらの大学においては開始年度がずれ込んでいるために、データの完成時期も遅れざるを得ない。
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Strategy for Future Research Activity |
義務教育期間に関してはデータの分析を進め、学会等での発表及び論文の作成を進めることが主な作業となる。一方、高校と大学においては、パネルデータの作成継続とすでに入手されたデータの基本的分析を継続する。 前者に関しては、データ収集と整理はほぼ終わっているために、今後は分析をさらに進める。特に、学年が上がるにつれて社会的能力がどのように向上するかを精度の高い分析を適用しても観察できるかを確認するとともに、その決定構造に経年的な構造変化があるのかを検証する作業を進める。また、すでに学会等で報告された、学校での学習環境の差や教員の対応がどのような影響を生徒に及ぼすかに関する研究、社会経済的背景の代理関数としてなりうる変数の有効性を検証した研究、生徒の成長における体育および音楽や美術の非主要科目の意味づけに関する研究は、学会報告で得たコメント等を考慮し、海外での報告や専門雑誌への投稿を考える。 高校の研究に関しては、ある高校において、一部の非認知能力が入学時よりも下がる傾向にあることが観察されたことに注目し、中学における相対的位置付けと高校での相対的な位置付けの変化が自己評価、非認知能力およびアスピレーションにあたえる影響を分析する。また、ひいてはこのような新たな環境における自己の客観化が最終的に学修成果(認知能力)にどのような影響を与えるかを検証する。さらに、クラス替えなどによって起きるピア・エフェクトの変化が生む影響も検証できるような調査設計を検討する。 大学に関しては、新たな調査対象となった大学ではパネルデータの作成を継続する。また、すでに入手できたデータをもとに非認知能力を学年間で比較し、学生の心的成長を観察した結果をまとめ公表を進める。また、パネルデータ分析が可能なサンプルに関しては、学修成果に影響を及ぼす要因の特定化を進め論文にまとめる。
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