Dark matter Axion search using quantum-coherence amplification mechanism
Project/Area Number |
19H00686
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 15:Particle-, nuclear-, astro-physics, and related fields
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
笹尾 登 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 特任教授 (10115850)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 祐樹 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 研究准教授 (00559586)
平木 貴宏 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 特任助教 (40791223)
原 秀明 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 特別契約職員(助教) (70737311)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥45,110,000 (Direct Cost: ¥34,700,000、Indirect Cost: ¥10,410,000)
Fiscal Year 2022: ¥7,410,000 (Direct Cost: ¥5,700,000、Indirect Cost: ¥1,710,000)
Fiscal Year 2021: ¥10,660,000 (Direct Cost: ¥8,200,000、Indirect Cost: ¥2,460,000)
Fiscal Year 2020: ¥11,700,000 (Direct Cost: ¥9,000,000、Indirect Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2019: ¥15,340,000 (Direct Cost: ¥11,800,000、Indirect Cost: ¥3,540,000)
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Keywords | アクシオン / 暗黒物質 / 超放射 / 量子干渉性増幅 / マクロコヒーレンス |
Outline of Research at the Start |
宇宙の約四分の一は暗黒物質から成り立っていると考えられるが、未だにその正体は謎である。量子色力学が内包する困難を解決するために導入された新粒子アクシオンは、暗黒物質の有力候補であり、本研究では暗黒物質としてのアクシオンを探索する。アクシオンは相互作用が極めて小さく、一般にその探索は困難であるとされてきた。本研究では、極性冷却分子と量子干渉性による増幅機構を利用して測定の感度を増し、理論の予言する結合定数に到達し得る感度でもって、質量領域 ma=25 (+/-) 0.01 [meV]のアクシオンを探索する。もし発見できないときは質量領域拡大の技術開発を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、暗黒物質の有力候補であるアクシオン並びにダークフォトン(以下ではアクシオンと記す)を量子干渉による増幅機構(コヒーレンス)を用いて探索する。標的としては結晶(Er3+:YSO)あるいは原子(Cs)を想定している。前者については、本研究中に発見した周期的な超放射現象のより詳しい性質を明らかにした。即ち超放射遷移下位準位の寿命の実験的確定、超放射以外の放射(自然放射やいわゆるAmplified-Spontaneous-Emission等)の定量化、周期の入力パワー依存性などである。現在はこれらの実験結果を論文にまとめることを行っている。また実験とともに、この現象を説明する理論模型の構築と模型に基づくシミュレーションを整備した。模型は3準位系1次元の簡単なものであるが、結晶を一種の光学空洞とみなし、その減衰パラメータが周期的に変化することにより周期超放射を再現する。但し実験で観測されたパラメータ(超放射周期、そのパルス幅、パルス中の光子数等)を完全には説明しきれていない。 一方セシウム原子を用いたアクシオン探索については、常温セルを用いた予備実験を遂行した。具体的には、基底状態(6s1/2)と励起状態(6p3/2)及び基底状態と励起状態(8p3/2)間のDoppler Free Spectroscopyを行い、既存のパラメータと一致することを確認した。 また実験に必要とされたレーザーを整備した。セシウム原子を用いたアクシオン探索実験については、Magneto-Optical-Trap (MOT)標的を用いて冷却原子を作り出す。MOTの性質を再現するシミュレーションコードの開発に着手した。また詳しい理論計算を行い、アクシオンおよびダークフォトン暗黒物質に対する到達感度を確定した。現在はこれらの結果を論文にするためにまとめを行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、Er3+ :YSO結晶を用い、新しい現象である周期的超放射現象のより詳しい性質を明らかにした。またこの現象を説明する理論模型の構築を試みた。一方セシウム原子を用いたアクシオン探索については、必要とされるレーザーを整備し、予備実験を行った。またアクシオン探索で必要とされるMagneto-Optical-Trap (MOT)の作製に着手した。これらの成果は大きな前進である。但し全体の研究の進展については、コロナ感染の影響を引きずっており、やや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は結晶あるいはセシウム原子を用いたアクシオン探索実験を実行に移すことを目標とする。まずは具体的な実験計画を確定すると共に、コヒーレンス測定実験、バックグランド測定実験等に着手する。但し結晶の母材については、YSO(Y2SiO5)よりYLF(YLiF4)に変更することも視野に入れる。コヒーレンス測定については当初予定していた低温で黒体輻射過程を増幅する方法と禁止遷移過程の輻射強度の増幅度からコヒーレンスを評価する方法が存在する。後者は常温でも実験することができるので、特にセシウム原子の場合は都合が良い。また結晶を用いる場合については、レーザー光および信号光を同軸にすることが可能となり、実験の観点から都合が良い。2つの方法を比較しつつ、有利な方法を用いコヒーレンスの測定を行う。バックグランドの評価については冷却原子あるいは冷却された結晶が必要とされる。以上の基礎実験の成果を踏まえ、アクシオン探索を行う。これについては磁場を必要としないダークフォトンの探索から実行する。以上の成果を論文にまとめる。
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Report
(4 results)
Research Products
(5 results)
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[Presentation] Er:YSO結晶からの超放射の時間的振舞い2021
Author(s)
原秀明, 宮本祐樹, Junseok Han, 笹尾登, 今井康貴, 植竹智, 平木貴宏, 増田孝彦, 吉見彰洋, 吉村浩司, 吉村太彦
Organizer
日本物理学会2021年秋季大会
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